食育(食育基本法)


毎年6月は「食育月間」です。
私たちの生活には欠かすことのできない「食」。
「どこで、どのように作られているの?」
「バランスがいいってどんな食事?」
食べているものや食生活に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
「食」について正しい知識を身につけて、食生活を見直してみましょう。

■関連サイトへのリンク
・「なぜ?なに?食育!!」(農林水産省食育サイト)
・内閣府食育推進室[外部リンク]


平成17年7月に「食育基本法」が施行されてから約1年が経過した。また、今年から6月を「食育月間」と定め、「食育」の普及・啓発を図るために各地でさまざまな関連イベントも実施され、この言葉が広く認知され始めてきている。施行約1年が経過した今、その目的・背景などはもちろん、取り組むための、「食育推進基本計画」についてまとめた。

■目的

平成17年6月10日に成立し、平成17年7月15日施行実施された「食育基本法」。
__この法律は”国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるよう、食育に関する施策を総合的かつ計画的に進める”ことを目的に地方公共団体及び国民の食育の推進に関する取組を総合的かつ計画的に推進するために制定された。

■背景

同法制定の背景には、飽食の時代となったゆえの「食」を大切にする心の欠如をはじめ、栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加、肥満や生活習慣病(がん、糖尿病など)の増加、過度の痩身志向、「食」の安全上の問題の発生、「食」の海外への依存、伝統ある食文化の喪失など、近年の「食」をめぐる様々な問題がある。
__同法は、これらの「食」に関する問題を個人の問題というだけではなく、日本社会全体の問題としてとらえ、抜本的な対策としての、”国民運動”を展開し、強力に「食育」を推進するための法律として制定された。

■「食育」

同法の中では「食育」を、
@生きるうえでの基本であって、知育・徳育および体育の基礎となるべきもの
A様々な体験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること
−と位置づけている。
__また、同法に基づき、この「食育」を推進していくための具体的な計画「食育推進基本計画」が小泉純一郎内閣総理大臣を会長とする食育推進会議のもと、今年3月に作成されている。

内閣府の食育推進コーナー http://www8.cao.go.jp/syokuiku/index.html

■「食育推進基本計画」

「食育推進基本計画」は、平成18年度〜平成22年度までの5年間を計画期間とし、その内容には、食育の推進に関する施策についての基本的な方針や国民運動として食育を推進していく上で、その成果や達成度を客観的な指標により把握するための目標値などが盛り込まれている。目標値の項目は全部で九つ、その内容は以下の通り。
__※ただし、あくまでも「食育」は、地域の実態や特性等への配慮がないまま安易に目標値の達成のみを追い求めることがないよう留意することを計画の中で明記している。
@食育に関心をもっててる国民の割合
平成17年度70%(食育に感心がある、どちらかといえば感心がある)平成22年度までに90%以上
A朝食を欠食する国民の割合
平成12年度4%(小学校五年生のうちほとんど食べないと回答した者)→平成22年度までに0%、このほか20歳代男性と30歳代男性についても平成22年度までに15%以下にする
B学校給食における地場産物を使用する割合
平成16年度21%(全国平均)→平成22年度までに30%以上
C「食事バランスガイド」をはじめ「食生活指針」「日本人の食事摂取基準」等を参考に
__食生活を送っている国民の割合
平成22年度までに60%以上
D内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を認知している国民の割合
平成22年度までに80%以上
E食育の推進に関わるボランティアの数
平成22年度までに現状値の20%以上の増加
F教育ファームの取り組みがなされている市町村の割合
平成17年度42%(市町村、学校、農林漁業者等さまざまな主体が取り組んでいる市町村)平成22年度までに60%以上
G食品の安全性に関する基礎的な知識を持っている国民の割合
平成22年度までに%60以上
H推進計画を作成・実施している都道府県および市町村の割合
平成22年度までに都道府県は100%、市町村は50%以上

__また食育推進運動の展開を図るべく、毎月19日を「食育の日」、毎年6月を「食育月間」と定め、国・地方公共団体等が協力してイベント等を積極的に実施し、普及啓発に努める、としている。
(財)食生活情報サービスセンター

■具体的な取り組み

同法で、国民運動として食育を推進するための基本的施策として、以下の七つの取り組みが示されている。
@家庭における食育の推進
親子料理教室など
A学校、保育所等における食育の推進
地域の特色を生かした学校給食の実施など
B地域における食生活の改善のための取り組みの推進
食品関係事業者などが行う食育の推進のための活動への支援など
C食育推進運動の展開
ニッポン食育フェアなど、食育の推進のための行事の実施など
D生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等
農林水産物の生産、食品の製造、流通などにおける消費者による体験活動の推進など
E食文化の継承のための活動への支援等
豊かな食文化の継承・発展など
F食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、研究、情報の提供および国際交流の推進
食品の安全性、栄養、食習慣などの調査研究など

__また、この取り組みを具体的に推進するための一環として、農林水産省では、今年5月に民間団体等(民間企業、社団法人、協同組合、認可法人等)を応募対象とした「民間における食育活動推進支援事業」の公募を行い、27団体が提案した事業が採択された。
__同事業は「食事バランスガイド」の普及・活用を含む食育活動で、地域の継続的な取り組みに発展していくような活動であることなどを条件に、基本的に事業費は全額補助(上限400万円)となる。

(全国牛乳新聞・第502号より)2006/7/10