防犯パトロール・全乳連も全面的にバックアップ


凶悪犯罪が続発する最近の世相を受けて、各地域では独自の防犯パトロールを組織するケースが増えてきた。
__この流れはこの数年で急激に進んだもので、最初は地元のPTAによる自転車への防犯パトロール・ステッカー貼り付けだった。これは子供の誘拐などを未然に防ぐのが目的だ。しかし、こういった活動はどちらかというと個人レベルでの活動という色合いが濃く、地域全体が総合して取り組むというほどではなかったことも事実。
__ここへきて地元に拠点を置くさまざまな事業体が次々と防犯パトロールへの参加を決めてきた。たとえば、酒販組合やバス事業者など。全乳連でもこの活動を全面的に支援し、各地域の商業組合も相次いで防犯パトロールへの参加を決めている。七月上旬にも埼玉県の組合が防犯パトロール協力に調印、本格的に展開をしている。

■地域全体をカバー

販売店の場合、防犯パトロール対象となる地区に重なりが少なく、地域全体をカバーできるのがメリットだ。つまり販売店というネットワークで地元全体に網をかけることで、まんべんなく防犯活動に協力することが可能となる。
__どの地域でも、パトロールに参加している場合、不審者を見かけたりしたときはすぐ地元警察へ連絡するよう要請されており、たとえ仕事中であっても、この要請が優先される。
__さて、この活動で犯罪防止に決定的な発揮すると思われるのがステッカー。それぞれが独自のステッカーを制作し、車両に添付している。貼り付けるタイプやマグネットを使ったものなどつくりは多用だ。以下、全乳連関係についてステッカーを紹介してみよう。
__東京都で採用しているステッカーはとくにユニーク。歌舞伎の隈取りをモチーフにしたディザインが人目を引く。サイズも大小あり、貼る場所を選ばないよう工夫されている。
__鮮やかな黄色を主体とした色彩も犯罪抑制に効果がありそうだ。

■ディザインを工夫

徳島県のステッカーは文字を大きくディザインしており「こども110番の家参加店」が販売店の存在感をじゅうぶんにアピールしている。バックに使っているイラストは牛乳瓶。
__いっぽう愛知県のステッカーはウシのイラストをデザインし、「防犯パトロール協力会」と大書したもの。汗をかきながら牛乳を配達しているウシが心強いイメージを与えている。
__こうしたステッカーには参加組合の名前とともに必ず警視庁、県警の名前が併記されており、この活動が警察のバックを受けていることをはっきり謳っている。
__つまり、民間だけの自発的な活動ではなく、れっきとした防犯に対する警察活動への協力態勢を敷いているのだと犯罪者に知らしめる効果はかなり高い。

徳島県のステッカー 愛知県のステッカー

(全国牛乳新聞・第503号より)2006/8/10