「常温保存可能品」と表示された牛乳がありますが、 普通の牛乳とどこが違うのですか。また、なぜ常温でもつのですか ?
牛乳類は10℃以下で保存することが義務づけられていすますが、1986年に厚
生省令が改正になり、「常温保存可能品」として、常温流通できる牛乳(ロング
ライフミルク、LL牛乳)が誕生しました。
製造工程は牛乳を過熱殺菌することと、これを無菌的に充填する二つの工程からなり
ます。普通の用冷蔵の牛乳との違いは、
- 殺菌温度が135℃〜150℃と高いこと(用冷蔵のものは120℃〜130℃)。
- 容器が違うこと。紙容器の材質特色は、外側から、外面ポリエチレン・印刷インク・すき合わせクラフト紙・ポリエチレン・アルミ箔・内面ポリエチレンの層からなっていて、アルミ箔は、空気や光のしゃ断、及び微生物の侵入を防ぐ効果をもっています。そして、その容器を過酸化水素で減菌しています。もちろん、過酸化水素は熱風で除去するので、残留はしません。
- LL製品は無菌的に充填密封してつくること。
空気中には雑菌も多いため、容器に充填するときは、300℃以上に過熱殺菌したエア
ーを送り込み、完全な無菌状態の中で詰められています。
- 原料乳の品質基準が厳しく、アルコール試験、容器の破裂強度などさまざまな制約
があります。
以上のようなことから、常温で保存しても、賞味期間は製造後60日になるのです。
- (注意)もちん、常温保存可能品といえども、いったん開封したら、普通の牛乳と同様に10℃以下で冷蔵保存し、早めにお飲みください。
- 栄養価については普通の牛乳と変わりません。保存食、携帯食として便利です。
- 厚生省の【常温保存可能品に関する運用上の注意】では『常温とは、外気温を超えない温度』としています。
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