高温殺菌の牛乳より低温殺菌の牛乳のほうがよいと聞きましたが、
本当でしょうか ?


どのような殺菌方法でも、牛乳の栄養価にはほとんど差がありません。
牛乳の殺菌方法は「62℃から65℃までの間で30分間加熱殺菌するか、またはこれと同当 以上の殺菌効果を有する方法で過熱殺菌すること」と乳等省令で規定されており、現 在わが国では、ほとんどが、超高温瞬間殺菌(UHT)で処理されています。

栄養成分では、UHT処理によりカルシウムは一部可溶性のものが不溶性に変化しますが 、胃の中に入ると胃酸などの作用によって、再び可溶性のイオンになり、消化吸収され ます。
口に入るときにイオン状でなくても、小腸内でイオン状になればよいのです。

また、たん白質については、UHT牛乳は、そのたん白質の20%を占めるホエーたん白質 が熱変性してしまいますか゛、これは生卵をゆで卵にするのと同じことで、栄養価が 減るわけでも、消化吸収できないわけでもありません。

「低温殺菌牛乳には有用な乳酸菌が生き残っていて、そのまま常温に置くとヨーグル トができる」という人もいますが、そのようなことはありません。
乳酸菌が生き残っているということは、その他の雑菌も生き残っている可能性があり 、これが増殖すれば、食中毒の恐れもあります。

超高温瞬間殺菌牛乳は低温殺菌牛乳に比べ、日もちがよいという利点を持つのも、殺 菌効率が高いからなのです。