牛乳に砂糖を入れて飲むとカルシウムが吸収されにくいと聞きましたが、
ほんとうですか ?


牛乳そのものの栄養価はかわりませんし、もちろんカルシウムの吸収が悪くなるこ ともありません。
この質問は以前、マスコミをにぎわした「砂糖 = 酸性食品有害説」か ら出たもののようです。

その説の概要は、「カルシウムを含まない白砂糖は典型的な酸性食品で あり、白砂糖を食べると、体の酸性化を防ぐために、アルカリ性物質のカルシウムが中 和の目的で消費されるので、その結果、カルシウム不足となって、いろいろな病気を引 き起こす」といったものでした。

酸性食品というのは、食品を燃やして灰(無機質)にしたとき、酸性の元 になる物質(イオウ、リン、塩素など)が多い食品で、肉や魚、穀物などかこれに属し ます。
反対に、残った灰にアルカリ性の元になる物質(ナトリウム、カリウム、カルシウムな ど)の多いものがアルカリ性食品。野菜、果物、牛乳などがこのグループです。

食品は、このように酸性とアルカリ性に分けられますが、人の体は食べ た食品によって、血液などの体液が極端に酸性になったりアルカリ性になったりする でしょうか。?
人間の体は、体液を中性に近い一定の状態に保つ仕組みがあります。
たとえば肉類を食べて、体内にリン酸や硫酸ができると、これらは体内の重炭酸アル カリで中和されますし、体液がアルカリ性に傾きかければ、体内で生成される炭酸ガ スと水で中和され、体外へ排出される仕組みになっています。

健康な人が、酸性の食品を少々食べたからといって、体が酸性化し、こ れを中和するために、骨からカルシウムが取り出されることはないのです。
ですから、牛乳の味や、においが苦手でそのままでは飲めないが、砂糖を入れるとお いしく感じるという人は、安心してそうなさってください。
ただし、栄養のバランス上、砂糖の量は、ほどほどにしたいものです。