脂肪分は肥満の原因になるのでしょうか ?

牛乳の脂肪の特徴は?
 乳脂肪は他の食用油脂に比べてまず美味しいと言う事です。
次に乳脂肪は微細な脂肪球として存在し、非常に吸収がよいといわれます。
そして体内のカロリー源として利用されるだけではなく、人が食物の中から必ず摂取しなければならないリノール酸等の有効脂肪酸を含んでいる事です。

 牛乳中の蛋白質、炭水化物も体内で燃焼してエネルギーとなりますが、乳脂肪は熱量が最も高く、1g当たり9.3 カロリーの熱量を発生いたします。
 乳脂肪の消化、吸収は、十二脂腸の内容物に存在するリパーゼ(脂肪分解酵素)によって一部分解され、つぎに小腸で胆のうから分泌される胆汁と、膵臓から分泌される膵液及び小腸壁から分泌される腸液の混合液(多量にリパーゼを含む)によって加水分解されます。このうち、胆汁には乳化力があるので、乳脂肪を加水分解し易い状態にする効力をもっていると言われています。

 リパーゼによって乳脂肪中に97%以上存在するトリグリセド(いわゆる脂肪)が、加水分解されて脂肪酸となります。脂肪酸の中のリノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸は必須脂肪酸と呼ばれ栄養的に重要な意義をもっています。

 一般的に脂肪を摂取すると太るといわれていますが、脂肪の少ない食事でカロリーを維持するには、沢山の食事量が必要になるため消化器官の負担が大きくなります。このためにも乳脂肪を含む牛乳からの栄養摂取は、非常にバランスがとれ、かつ効率的といえます。

乳脂肪が、他の食品の脂肪と比べて、特に肥満の原因になるということはありませ ん。肥満は身体に入った過剰なエネルギーが脂肪として身体に蓄積されることによっ て起こります。
したがって、食事のとりすぎ(摂取エネルギー過剰)と運動不足(利用エネルギーの減少 )が肥満の原因になります。

普通、牛乳1本(200ml)の熱量は128kcalで、この中の約半分が脂肪によ るものです。
牛乳は良質のたん白質や日本人に不足しがちなカルシウム、ビタミンA、B1等を、食 事全体のエネルギー摂取量を高めることなしに補うのに適しています。
乳脂肪分の摂取を控えたいひとには、低脂肪乳(ローファットミルク)もあります。