コレステロール”に関するご質問にお答えします。
Q1:牛乳のコレステロールは、身体に害になりますか ?
Q2:コレステロール値は低いほどいいのですか?
Q3:コレステロールには善玉と悪玉があるとききますが、
_______善玉だけを摂るにはどうしたらいいのでしょう?
Q4:牛乳・乳製品のコレステロールが心配なのですが?


コレステロール値は高からず、低からずで

___動脈硬化にコレステロールが関与しているといわれだしたのは、20世紀の初めです。
それ以来、多くの研究が進められ、欧米でコレステロール有害説が有力となりました 。
___日本にも、1950年代後半から1960年代前半にかけて浸透し始め、「コレステロールは健康の敵」というイメージが作り上げられるほどになったわけです。

___しかし、近頃、日本での脳卒中の研究では、低コレステロールのほうが問題であるということが実証され、コレステロールに対する見方も次第に冷静なものとなっています。

___肝臓で作られたコレステロールは、肝臓はじめ、腎臓、脳神経に、また、身体の細胞膜の構成成分として、胆汁酸、ステロイドホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミンDの材料としても使われます。

___生き生きした活力も、女性らしい魅力も、コレステロールの働きが源泉になっていて、
人体にとって欠かすことができない成分ですから、体内で1日に1000〜1500mgが合成されます
___したがって、食事からのコレステロール摂取が1日300mg程度であれば、血中コレステロールの値に影響がないといいます。

___牛乳を2本(400ml)飲んでも、摂取するコレステロールの量は44mgに過ぎません。
この量は300mgからみても少なく、さらに牛乳には血中コレステロール値を下げる成分もあるという説もでています。
___牛乳は、決して、コレステロール値を上げる食品ではありません。1日1〜2本の牛乳の飲用は、いろいろな面から健康に望ましいといえます。

<参考>バター10g中、22mg。鶏卵一個(50g)中、250mg。

___もちろん、コレステロール値の高い人は、動脈硬化や心筋梗塞の予防からお医者様の適切な指導によってコレステロール値を180〜220mg/100mlにもってゆく必要がありますが、素人判断でコレステロールを遠ざけることはありません。

___コレステロール値が低く、栄養状態が悪いと脳卒中を引き起こす要因になり、コレステロール値を高めますと動脈壁の弾力が増し脳卒中を防ぐことになるなどコレステロールの良い働きも認識すべきです。年をとってコレステロールの高い食品を避けることは間違いです。

___要するに、コレステロール値は高からず、低からずで、脂肪摂取は1日50〜60g、動物性脂肪対植物性脂肪が1対1が理想的と言えましょう。


いいえ、低すぎても、高すぎてもいけません。

___コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料になるなど生命維持に欠かせないもののひとつであり、からだのなか(肝臓や腸)でも毎日1500mgくらいつくっています。

___血液中のコレステロール値は低すぎても、高すぎても注意が必要で、
この値が高すぎると、血管の壁に沈着して動脈硬化をおこし、血流をさまたげ、心筋梗塞をおこしやすくなります、
逆に低すぎると、血管が弱くなって脳出血をひきおこしやすくなります。

___年齢によるちがいはありますが、目安として、血液100mlあたりのコレステロール値が120〜150mgを下まわらないよう、また250〜300mgを超えないように心がけるといいでしょう。


食物に含まれるコレステロールそのものには、善玉も悪玉もありません。
善玉を増やすには、バランスのとれた食事と、運動や禁煙を心がけてください。

___コレステロールは脂質の一種であり、そのままでは血液にとけません。
そこでたんぱく質とむすびついたかたち(リボたんぱく質)になって血液にとけこみ、全身に送られています。このとき、
低密度のリボたんぱく質は、コレステロールを血液壁に沈着させて動脈硬化を進行させるため『悪玉』と呼ばれ、
高密度のリボたんぱく質は、余分なコレステロールを取りのぞいて動脈硬化などをおさえてくれるため『善玉』と呼ばれているのです。

___食物に含まれているコレステロールそのものには、もともと善・悪の区別はなく、善玉コレステロールを多く含む食品というものはありません。善玉コレステロールの割合を増やすには、バランスのよい食事をとり、運動や禁煙が効果的といわれています。


普通の食生活の中で摂る量なら、問題はありません。
___健康な人が食べ物から摂るコレステロールの量は、1日に300mg程度を目安にするといいでしょう。多少摂取量が増えたとしても、体内でつくられる量が減って調節されるため、食事からのコレステロールが、そのまま血液中のコレステロール値を上げることは少ないといわれています。

___ちなみに、牛乳200gに含まれるコレステロールは22mg。プロセスチーズは1切れ(20g)で16mg、トーストに塗るバター(4g)では8mgほどにしかなりません。むやみに、牛乳・乳製品などの動物性食品を敬遠することは、かえって健康と活力を失うことになります。

日本人の食品別コレステロール摂取量
平成2年:国民栄養調査食品群別摂取量と日本食品脂溶成分表から計算
(社)日本乳業協会:消費者相談室


発行:(社)全国牛乳普及協会
推薦:(社)日本栄養士会
【MILK COOKING】より抜粋
グラフはいずれも(社)日本乳業協会:消費者相談室
誤解していませんか?"コレステロール"コレステロールは健康を保つために必要です。より抜粋