牛乳に、レモン汁を入れると、何故、沈殿が生じるんですか?

食品は、【酸性】と【アルカリ性】に分けられますが【酸性食品】というのは、食品を燃やして灰(無機質)にしたとき、酸性の元になる物質(イオウ、リン、塩 素など)が多い食品で、肉や魚、穀物などがこのグループです。反対に、残った灰にアルカリ性の元になる物質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)の多いものが【アルカリ性食品】。野菜、果物、【牛乳】などがこのグループです。

レモン汁は、【酸性】です。【牛乳】に【酸】を加えてpH(ペーハー)4.6にすると、牛乳中の【カゼイン】とともに変性した【ホエーたん白質】が凝固して分離、沈殿します。


【牛乳】の【たん白質】は、その80%を占める【カゼイン】と、残りの【ホエー(乳清)たん白質】に大 別されます。
【カゼイン】と【ホエー(乳清)たん白質】はそれぞれいくつかの【たん白質】から構成されています。
【カゼイン】は乳に【酸】を加えて、pH(水素イオン濃度指数)を4.6にすると、凝固して沈殿す る【たん白質】です。
pH4.6は、【カゼイン】の『等電点』です。 等電点では、たん白質粒子のプラスとマイナスの荷電が等しくなり、粒子同士が結合しやすくなり溶解度 が減少します。カゼインは、特に等電点で溶けにくくなる性質を持った、たん白質です。


酸味を加えた牛乳を煮込んでいると出来てくる凝固物が【牛乳豆腐】で、見た目や味はカッテージチーズによく似ています。