そんなことはありません。牛乳消費量が多いほど骨粗鬆症になりやすいという報告は見当たりません。
北欧では他国と比べて骨折が多い傾向にありますが、これは運動の種類や量、およびカルシウムの体内への吸収に大きなかかわりを持つ日光などの影響があるためで[注18]、牛乳が原因とは考えられていません。
一方、カルシウムの摂取不足が骨折の危険因子であるという研究データは内外で数多く報告されています[注19]。また、継続的な牛乳摂取が骨折リスクを上げないという報告もあります[注20]。
以上のことから、カルシウム摂取量の平均値が厚生労働省の目標値に至っていない日本人には牛乳・乳製品の摂取は大変意義のあることといえます。
なお、日本で骨粗鬆症に関する専門家の集まりである「骨粗鬆症学会」、「骨代謝学会」、「内分泌学会」、「産婦人科学会」、「整形外科学会」などで牛乳・乳製品を摂取することで骨粗鬆症になるとした発表はありませんし、海外のアメリカ骨代謝学会(ASBMR)、アメリカ骨粗鬆症財団(NOF)、国際骨粗鬆症財団(IOF)、世界保健機構(WHO)でもこのような発表はありません。 |