ヨーグルトの乳酸菌は胃酸で殺されて効果がなくなるのですか?

とんでもない話

そんなことはありません。腸内善玉菌のさまざまな効果が注目され生きたまま腸に到達し効果を発揮する菌を使用したヨーグルトが増えてきましたが、一般的なヨーグルト乳酸菌は腸に到達する前に胃酸や胆汁酸で死滅します。

しかしヨーグルトの乳酸菌が死滅しても、乳酸発酵の過程で生成した物質や菌の成分などにより健康に効果があることが明らかになっています[注22]。

市販のヨーグルトには厚生労働省許可の「特定保健用食品」が多数あります。それらの保健機能は例えば次のような表示が許可されています。「○○菌の働きにより腸内細菌のバランスを整えておなかの調子を良好に保ちます」「○○菌の働きにより腸内環境を良好にします」、さらに「○○菌株の働きにより腸内環境の改善に役立ちます」など生菌・死菌を含めた効果が述べられています[注23]。

またヨーグルトや牛乳の成分は、腸内善玉菌の代表格であるビフィズス菌などに利用され腸内細菌のバランスへの影響も大きいのです。これにより、腸内で善玉菌が優勢になり人の健康に有益な影響をもたらします[注24]。


[注22]光岡知足著「ヨーグルト健康法」2000年(青春出版社)39ページ
[注23]財団法人日本健康・栄養食品協会ホームページより
[注24]細野明義著「ヨーグルトの科学」2004年(八坂書房)95ページ