Q14
性にとって辛い月経前症候群に牛乳は効果があるって本当ですか?

牛乳のカルシウムによって月経前症候群の症状が改善することが認められています。

月経前症候群(PMS)は、生理の2週間前ころから精神的・肉体的に不快な症状が現れる病気です。症状は生理が始まると消えてしまいますが、ときには生理中まで続くこともあります。

正常な月経サイクルを持っている女性の40%が、なんらかのPMSの症状を有しており、うち5%は重症例と推計されます。

わが国のPMSの罹患率についての正確なデータはありませんが、正常な月経サイクルを持っている女性の40%(1,200万人)がなんらかのPMSの症状を有しており、うち重症例は5%(60万人)程度と推計されます。

PMSの原因を探る研究の中で、各種の栄養素との関係について検討が加えられ、カルシウムのみが有益であることが明らかになりました。

Thys−jacobsが1995年に発表した調査では、PMS患者にカルシウムを増量して摂取させたところ、食物渇望、仰うつ傾向、ならびに苦痛スコアが改善されたという結果が出ています。さらに、骨量の低い患者ほどPMSの症状が強いという報告が 出ています。

福岡氏がPMS、特に子宮内膜症に対する乳清ミネラル※の治療効果について報告しています。子宮内膜症の患者さん25例に1日当たり乳清ミネラルをカルシウムとして600mg摂取してもらい、経過を観察しました。その結果、子宮内膜症の治療効果の指標となる特異マーカー(改善例では低下する)が、25例中4例では上昇傾向を示したが、84%(21例)では低下傾向を示し、治療効果が認められました(図)。しかし、その作用メカニズムの解明は今後の課題です。

また、浜田氏らが発表した工場勤務の女性を対象に実施した疫学調査では、月経前から月経中にかけて症状が現れる月経困難症に対して乳清ミネラルによる治療を行ったところ、職場におけるQOL(Quality of Life)の改善が認められ、腰痛の改善も認められたと報告されています。

※乳清ミネラルは、牛乳からチーズを作成した残りの乳清から乳清たんぱく質、乳糖、水溶性ビタミン、その他の非たんぱく態を除去した成分。