Q17
牛乳に含まれる動物性脂肪で健康が損なわれることはありませんか?

乳脂肪には、中性脂肪や体脂肪として体内に蓄積されにくい性質があります。

肉類や牛乳・乳製品などの動物性脂肪に多く含まれている飽和脂肪酸は、悪玉(LDL)コレステロールを増やし、動脈硬化を進展させるので悪くて、植物油などの植物性脂肪に多く含まれている不飽和脂肪酸は、動脈硬化を抑制する善玉(HDH)コレステロールを増やす働きがあるために良いという風潮があります。

しかし、植物性脂肪の不飽和脂肪酸であるリノール酸は、LDLコレステロールだけでなく、HDHコレステロールをも減らす作用があり、さらにアレルギーやがんの発症にも関わっていると指摘されています。

乳脂肪には健康を維持するために必要な栄養素が含まれています。

一方、牛乳に含まれるコレステロールは、健康を維持するために必要な栄養素で、不足すると血管がもろくなり脳出血の危険性が高まり、神経障害を起こすこともあります。

牛乳の脂肪は微細な球状で存在し、他の脂肪に比べて消化酵素の作用を受けやすく、消化吸収が良いのが特徴ですが、牛乳の68%を占める飽和脂肪酸には、短・中鎖脂肪酸(炭素数が12以下)が多く含まれています。短・中鎖脂肪酸は、中性脂肪や体脂肪として体内に蓄積されにくい性質を持っていることが最近注目されています。

大切なことは動物性脂肪、植物性脂肪をバランスよく摂ることです。どちらかを過剰に摂取したり、また不足すると健康を損なう危険性があります。