Q2
栄養素密度ってなんですか?牛乳とはどんな関係があるのですか?

牛乳は栄養素密度が高く、少ないエネルギー量で必要な栄養素を摂取できる食品です。border=

従来、食品の栄養価を比較するには食品成分表を使っていました。食品成分表では、食品100g当たりどれだけ栄養素が含まれているかという表し方をしています。例えば食品成分表で、牛乳(80%以上が水)と目刺し(約50%が水分)のカルシウム量を比較すると、目刺しのほうがはるかに多くのカルシウムを含んでいることになります。

栄養素密度は
食品のエネルギー100kcal当たりに含まれている栄養素の量です。

ところが食品の重量当たりではなく、食品のエネルギー量当たりの栄養素量を比較しようとするのが、栄養素密度の考え方です。栄養素密度は食品100kcal当たり、どれだけの量の栄養素が含まれているかで表します。
__上記の牛乳と目刺しのカルシウム量を栄養素密度で比較すると、牛乳は100kcal当たり160mg、目刺しは130mgで逆転しています(表)

さらに牛乳にはビタミンA、B1、2、B12、パントテン酸、リン、カリウムなどが豊富に含まれており、栄養素密度が高い食品であることがわかります。
__※栄養素密度は(栄養素量/100kcal)/(当該栄養素の食事摂取基準に示された摂取量/100kcal)で表すこともあります。

最近は若い女性だけでなく、中高年にも肥満が増加しているため、ダイエットに対する関心が高まっています。ダイエットの基本は摂取するエネルギー量を減らすことです。エネルギー量を減らしても、必要な栄養素が欠乏すると、ダイエットは成功しても健康を害することになります。
__また高齢者では、必要とするエネルギー摂取量は少なくなりますが、必要とする栄養成分の量は大きくは変わりません。そこで、より少ないエネルギー量で効率よく必要とされる栄養素を摂取するには、栄養素密度の考え方が重要になってきます。