Q20
牛乳アレルギーはなぜ起るのてすか?どのような注意をすればよいのですか?

牛乳は広く摂取されているため、乳幼児の発症頻度は高いですが、<BR>症状は比較的軽く、ほとんどは2〜3歳までに治癒します。

乳幼児では消化機能と免疫機能が未発達なため、アミノ酸にまで分解されずに残った牛乳たんぱく質の一部が体内に取り込まれて抗原(アレルゲン)となり、それに対する抗体ができます。そこで再びそのたんぱく質を摂ったときに、下痢、湿疹、気管支喘息などのアレルギー症状を一過性に起こすことがあります。したがって1歳未満の乳幼児には牛乳を与えないほうがよいとされています。

食物アレルギーのうち牛乳アレルギーが乳幼児に多いのは、母乳代替品として、牛乳たんばく質の低アレルゲン化を図っているとはいえ、乳児用調製乳が牛乳をベースにつくられていることが一因です。

牛乳アレルギーが発症した場合には、
牛乳の摂取は避けなくてはなりません。

厚生労働省の研究班がまとめた内容によると、子どもの食物アレルギーでは、血液検査や皮膚テストで陽性であっても、実際に食物制限が必要になるのは半分以下にすぎません。牛乳アレルギーは生後2〜3ヵ月の乳児に発症しますが、一般的に症状は軽く、多くは2〜3歳までに治癒してしまい、成人まで続くことはまれです。もちろん牛乳アレルギーが発症した場合には、牛乳の摂取は避けなくてはなりません。

なお、たんぱく質を含む食品はすべてアレルゲンとなりえますが、厚生労働省では平成13年4月から、発症例数が多いことから卵、乳、小麦を、また発症したときに生命に関わるほど症状が重いものとしてそば、落花生の計5品目をアレルギー誘発物質を含む「特定原材料」として法令上表示を義務づけました。このほかにも表示奨励品目として魚介類、肉類、大豆、果実類を含め19品目が示されています。