Q22
牛乳は白内障と関係があるのですか?

極めてまれな先天性疾患のガラクト−ス血症以外牛乳の摂取によって白内障になるというデータはありません。

白内障は眼の水晶体が濁り視力が低下する病気で、高齢者に多く発症します。65歳では60%が白内障の症状を呈するといわれています。白内障の最大の要因は老化(加齢)で、それ以外に疾病、光(活性酸素生成)、薬物、先天性代謝異常なども影響します。

このうち牛乳の摂取と関係があると考えられるのがガラクト−ス血症という先天性代謝異常です。ガラクト−ス血症は、牛乳の炭水化物の大部分を占めている乳糖が分解されてできるガラクト−スという単糖を代謝できないために、血中のガラクト−ス(ガラクトキナーゼ欠損)あるいガラクト−ス−1−リン酸(ガラクト−ス−1−リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損)濃度が高くなってしまう遺伝性疾患で、極めてまれな病気です。

ガラクト−ス血症は劣性遺伝するもので、症状には軽いものから重いものまでありますが、通常は家族で出産前に予測するか、新生児で発見され、母乳や乳児用調製乳を避けて、乳糖(ガラクト−ス)を含まないミルクを与えることで、正常な発育が可能になっています。

昭和52年からマススクリーンが実施されていますが、ガラクト−ス血症患者の発生数・発生率には一定の経年的な傾向は認められていません。

わが国では昭和52年からマススクリーンが実施されていますが、ガラクト−ス血症患者の発生数・発生率には一定の経年的な傾向は認められていません。

なお、動物実験でラットにヨーグルトを摂取させたところ白内障が発症したという報告が出ています。この実験におけるラットのヨーグルト摂取量は、体重60kgのヒトに換算すると、1日21.6kg〜24kgと非常に極端な条件下の実験で、まったく現実離れした摂取量です。したがって、通常の食生活における摂取と同列に考えるべきではないでしょう。