Q23
牛乳に含まれるビタミンB12は脳の発達に影響するのですか?

ビタミンB12は脳の発達だけでなく、アルツハイマー症候群などの老人性の認知症(痴呆症)にも関与していると報告されています。

バクテリアによって合成されるビタミンB12は、牛乳・乳製品、肉、魚、卵などの動物性食品からしか摂取できないビタミンです。最近の研究で、これらの動物性食品のうちでは、牛乳・乳製品に含まれるものは体内での利用性が高いというデータが出ています。

ビタミンB12は、赤いビタミンといわれ、赤血球の合成を促進するビタミンとして知られていましたが、最近、ビタミンB12は脳の発達や、アルツハイマー症候群などの老人性の認知症にも関わっていることが注目されています。

海外で実施されたビタミンB12欠乏児(菜食主義の母親に育てられた小児を含む)に関する調査では、身体および脳の発育不全、貧血、過敏症、食欲不振などの症状が報告されています。6歳までの成長過程でビタミンB12が欠乏 していると、その後ビタミンB12を摂取しても、欠乏によって生じた問題は改善されませんでした。

ビタミンB12の摂取量が低い人たちは、推理力、抽象的思考力および学習能力を測定する知能テストで、有意に低いスコアを示したという報告も出ています。

英国では認知症の日常の診断にビタミンB12の分析が用いられています。
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ビタミンB12の欠乏は、60歳を超えると増加し、アルツハイマー症候群でしばしばビタミンB12の欠乏が認められています。ただし、ビタミンB12の欠乏を伴う認知症では、ビタミンB12を投与しても症状は改善されないという結果が出ています。英国では認知症の日常の診断にビタミンB12の分析が用いられています。

認知症を予防するには、日頃から牛乳・乳製品などでビタミンB12を摂取することが大切です。