Q28
牛乳の免疫調節機能ってなんですか?

牛乳のたんぱく質成分には、<BR>免疫機能を高めたり、行き過ぎによる弊害を調整する働きが認められています。

免疫系は、体内に侵入してくる異物(病原体やウイルスなど)を、血液中の抗体や白血球が攻撃して分解するヒトのからだに備わっている自己防御システムです。抵抗力が低下すると、免疫系がうまく機能できなくて病気になり、免疫系が過剰反応すると、自分自身の細胞や器官を攻撃するアレルギーやリュウマチなどの病気を起こすことになります。

牛乳中のある種のたんぱく質には、免疫機能を高めたり、行き過ぎによる弊害を調整する働きが認められています。

牛乳たんぱく質のカゼインの消化によって生じるカゼインホスホペプチド(CPP)は、B細胞(液性免疫に関与)やT細胞(細胞免疫に関与)を活性化し、免疫機能のひとつである免疫グロブリン(IgA抗体)の産生を促進する働きがあることが解明されています。

牛乳たんぱく質のκ-カゼインには、
アレルギー反応を抑制する働きがあることが認められています。

牛乳中のラクトフェリンには、炎症を招く活性酸素の生成を抑制する働きがあります。また、牛乳たんぱく質のκ-カゼインには、アレルギー反応を起こす肥満細胞からのヒスタミンの放出を抑制する働きが認められています。

さらに、牛乳中には消化管粘膜の成長を促進し、病原体の体内侵入を阻止する血小板由来増殖因子や乳腺由来増殖因子など、数多くの生理活性物質が含まれていることがわかっています。