Q29
乳幼児の牛乳の摂取ではどんなことに注意すればよいのですか?

乳幼児期の牛乳そのものの摂取は、少なくとも生後1年を過ぎてからが望ましいとされています。

乳幼児期は、丈夫な歯と骨格をつくる大切な時期です。歯と骨格をつくるカルシウムが不足すると、健康な土台が築けません。1〜2歳児のカルシウム摂取の目安量(【資料】参照)は1日当たり男450mg、女400mgで、体の大きさが違う成人(30〜49歳・男性650mg、女性600mg)と比較すると多いことがわかります。牛乳・乳製品は、カルシウムの補給源として重要なだけでなく、栄養バランスのとれた食品として幅広く摂取されています。

牛乳アレルギーには十分な注意が必要です。

離乳期の親の悩みは、食物アレルギーです。そのなかでも牛乳は卵とともに乳幼児に多いアレルゲンのひとつです。なぜなら牛乳と卵は離乳食で摂取する機会が多いためです。消化機能や免疫機能が未熟な1歳未満の時期に牛乳や卵などでたんぱく質をたくさん摂ると、アレルギーを招きやすいといわれています。そこで離乳期の牛乳そのものの摂取は、少なくとも生後1年を過ぎてから他の食品とともに少しずつ慣らせて飲ませることが望ましいとされています(図)。

もし、アレルギー症状が出たら、摂取は中止すべきです。また離乳期から飲むフォローアップ・ミルクも販売されていますから、離乳食と併用して、その後市販の牛乳を飲ませるようにするとスムーズにおとなと同じ食パターンに移行できます。なお、乳幼児期で不足しがちな栄養素に鉄分などがありますが、牛乳には鉄分がほとんど含まれていないため、他の食品で鉄分を十分に補給することも忘れてはいけません。