Q30
成長期の牛乳の摂取量は身長の伸びと関係するのですか?

日欧米の調査で<BR>牛乳の摂取量が多いほうが身長の伸びが大きいという報告が出ています。

身長の伸びは、両親からの遺伝が大きな要因といわれています。さらに成長ホルモンなどの内分泌、性成熟度などと共に、食生活が影響しています。

このうち身長と食生活の関わりについて、成長期の牛乳摂取が体格(身長、体重、肥満度)にどのように影響を及ぼしているかを追跡調査した結果があります。小学校4年生から中学1年生までの3年間、122名(男子60名、女子62名)を対象に1日当たりの摂取量が500ml未満のグループ(A群)と500ml以上のグループ(B群)に分けて身長、体重、肥満度を比較してみました。

牛乳摂取量の違いで体重の増加量と肥満度には差が出ませんでしたが、
身長では2.5cmも差が出ました。

その結果、体重の増加量と肥満度は両間グループに有意差は認められませんでしたが、身長は、A群で18.8cm、B群で21.3cmと牛乳摂取量の違いで2.5cmも差が出ました(図)。

1980年に欧米で7〜8歳の学童を対象に1日190mlの牛乳を摂取させたグループと摂取させなかったグループの21.5ヵ月後の身長の伸びを追跡調査した結果でも、牛乳を摂取させたグループのほうが2.8cm大きくなったと報告されています。

牛乳摂取と身長の伸びのメカニズムについて、上記の調査の報告者の岡田氏は、牛乳に含まれるカルシウムやたんぱく質以外に、成長促進因子で種々の生物活性作用を発揮するといわれるTGF−βに注目していると述べています。