Q31
成長期の牛乳の摂取量と体脂肪率には関係があるのですか?

中高生(女子)の調査では、牛乳の摂取量が多いほど体脂肪率が低いという結果が報告されています。

肥満とは、体重に占める脂肪の割合が多いことを指します。体重は体脂肪と除脂肪の筋肉・骨・内臓の重量のトータルによって構成されます。したがって体脂肪率を落とすことが減量につながります。

牛乳の摂取によってこの体脂肪率が低下するという研究結果が報告されて話題になっています。男女中高生延べ6.000人を対象に4年間にわたってなされた、食と健康に対する実態調査です。牛乳の摂取状況を、1日当たり@400ml以上、A200〜400ml、B100〜200ml、C100ml未満、Dほとんど飲まない、の5グループに分けて検討しました。

男子では差が出ませんでしたが、女子では牛乳摂取量の多いグループのほうが体脂肪率が低いという結果が出ました(図)。400ml以上摂取するグループの平均体脂肪率は23.6%でしたが、100〜200mlのグループでは24.8%、100ml未満のグループでは25.6%と体脂肪率が牛乳摂取量と逆相関しています。

女子高生に肥満を懸念して牛乳を敬遠するという声がありますが、
牛乳の摂取は肥満に結び付いていません。

同調査では、高校女子の中には牛乳を敬遠する理由として、「太るから」、「カロリーがあるから」飲まなくなったという肥満を懸念する声がありましたが、牛乳の摂取よって肥満の指標となるBMIは、各グループ間で変化はみられませんでした。

牛乳の摂取によって体脂肪率が低下するという研究報告は、米国からも出されています。そのメカニズムは、牛乳のカルシウムが脂肪の燃焼を促進するのではと考えられていますが、詳しくは今後の解明が待たれます。