Q33
妊娠・授乳期は積極的に牛乳を摂取したほうがよいのですか?

妊娠・授乳期は十分な栄養、特にカルシウムと鉄分を摂取することが必要です。

妊娠・授乳期はすべての栄養素を十分に摂取することが必要です。そのなかでも特に重要な栄養素は、胎児の骨格の材料となるカルシウムと血液成分となる鉄分です。胎児は母体から栄養分を吸収して成長しますから、母体から十分な栄養分が供給できないと、生まれてくる赤ちゃんの発育にも悪い影響が出てきます。

妊娠・授乳期は母体のカルシウムが激しく流出する時期です。妊娠中は母体から胎児へ約30%のカルシウムが移行し、授乳期では母乳から1日約220mgのカルシウムが喪失します。

平成16年11月に厚生労働省から発表された「日本人の食事摂取基準」(【資料】参照)では、妊娠・授乳期の付加量(Q5参照)は設定されていませんが、十分なカルシウム摂取が必要なことには変わりません。女性が主に妊娠・出産する年齢層におけるカルシウム摂取の目安量(【資料】参照)は、20歳代で1日700mg、30歳代で600mgですが、現実の1日の平均カルシウム摂取量は20歳代で458mg、30歳代では475mgと極端に不足していることがわかります(平成14年度のデータですが、現在も大きな数値の変化はないものと考えられます。)

牛乳・乳製品には、妊娠中毒症の予防や便秘の改善、肥満の予防などの効果が認められています。

妊娠・授乳期におけるカルシウム摂取の目安量を手軽に毎日摂れる食品として、牛乳・乳製品は最適だといえます。牛乳には血圧の上昇を抑え、血流をよくする働きもあり、妊娠中毒症を予防する働きのほか、妊婦が悩まされる便秘の改善、出産後の肥満の予防などの効果も認められています。