Q35
更年期の女性の牛乳摂取にはどんな効果が期待できるのですか?

牛乳は、更年期以後に発症リスクが高まる骨粗鬆症の予防に推奨される食品です。

一般的に更年期は閉経前後の各5年間計10年間を指します。更年期障害は卵巣の働きが低下し、ホルモンバランスが崩れるために起こります。思春期以後ずっと体をコントロールしていた女性ホルモンの分泌が。40歳代後半から50歳代の更年期に急激に低下します。

女性ホルモンのエストロゲンには骨からカルシウムが溶出するのを防ぐ働きがありますが、更年期を迎え、そのエストロゲンが激減するため、骨量が減り骨粗鬆症の発症の危険性が格段に高まります。図のように閉経前の骨量を100%とすると、閉経後5年間で16%も減少しています。さらに閉経後16〜20年の70歳代になるころには28%も減少しています。女性は男性に比べて、もともと骨量が少ないため、骨粗鬆症になる危険性が高いわけです。

50〜69歳の女性のカルシウム摂取の目安量(【資料】参照)は1日当たり700mg(Q5参照)ですが、1998年に出された「骨粗鬆症の治療に関するガイドライン」では、骨粗鬆症を予防するためには閉経後の女性、および老年期は、最低1日当たり800mg以上のカルシウムを摂取することが望ましいとされています。積極的に牛乳などでカルシウムを摂取しても減少した骨量の回復は不可能ですが、閉経後の骨量の減少を抑制する効果は十分に期待できます。

高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の発症抑制にも牛乳は効果が認められています。
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更年期前までは、女性は女性ホルモンによってからだが守られているため、男性に比べて生活習慣病のリスクが低いのですが更年期を境にそのリスクが急激に高まります。牛乳は、高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の発症抑制にも効果が認められており更年期後も推奨される食品です。