Q38
牛乳は1日のうちいつ飲むのが効果的なのですか?

夜の摂取によってカルシウムが溶け出すのを防ぐ、睡眠を促す、<BR>成長ホルモンの分泌を促進する作用などが認められています。

牛乳はいつ飲んでもかまいませんが、夜に摂取することで、特に次の3つの効果が期待てきます。

@人間の体には、血液中のカルシウム濃度を一定に保つシステムが備わっています。睡眠中は血液中のカルシウム濃度が低くなりやすいため、骨のカルシウムが溶け出して、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きをします。就寝前に牛乳を飲むと、血液中のカルシウム濃度の低下を防げるために、骨からの溶出を予防することができます。
A牛乳のたんぱく質が消化酵素によって分解されてできるオピオイドペプチドは、中枢神経および末梢神経に作用して沈静的に働くものが認められ、眠りを誘うといわれています。また、牛乳中の必須アミノ酸のトリプトファンは、体内で消化・吸収され、弱いながらも誘眠効果のあるセロトニンに変換され、さらに何割かは睡眠ホルモンといわれるメラトニンになるといわれています。
B睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になるため、牛乳中のたんぱく質やカルシウムが、骨や骨格を形成するのに役立ちますから、特に成長期には効果的です。

就寝前の牛乳飲用には、睡眠の質を向上させるという
研究データが報告されています。

鏡森氏が就寝前の牛乳およびアルコール飲用の睡眠の質への影響について研究したデータがあります。それによると、睡眠の質の自覚的総合判断であるスタンフォード睡眠スコア(睡眠の質が最低の場合7点となり、値が低いほど睡眠の質が高い)では、牛乳200ml飲用が熟睡に相当する2点台のスコアを示しています(表)。同様にアルコール+牛乳飲用も2.5点と近い数値を示しました。また別の睡眠指標による考察ても、牛乳は睡眠の質を向上させました。

このほかに牛乳中のカルシウムには、交感神経の働きを抑制かる作用があります。ストレスからくるイライラや不安、緊張などは自律神経が交感神経優位のときに起こりがちです。こんなとき温めた1杯の牛乳が、適度に空腹感を満たし気分をリラックスさせて、安眠へ導いてくれます。