Q39
牛乳・乳製品のカルシウムに減量効果があるって本当ですか?

牛乳・乳製品のカルシウムの摂取により、<BR>体重、体脂肪率が低下するという試験データが米国で報告されています。

カルシウムがウエイトコントロールに関わっているという研究報告が米国から相次いで出されています。

米・テネシー大学のゼメル教授のグループが、カルシウムの摂取量とダイエットについての研究を発表しています。68名を対象に12週間、1日当たりカロリー摂取量を500kcal減らした上で、カルシウム600mg/日摂取(LC)群、カルシウム1,400mg/日摂取(HC)群(牛乳・乳製品以外から摂取)、カルシウム1,400mg/日摂取(HD)群(牛乳・乳製品で1日3回摂取)の3群に分けて。ダイエット療法を実施しました。

牛乳・乳製品を摂取しながらダイエットを行うと、
脂肪分だけを限定的に減少させます。

その結果、牛乳・乳製品を十分に摂取した(HD)群は、他の2群と比べて、体重の減少、脂肪分の減少が大きいことが認められました。さらに興味深いことは、(HD)群は脂肪以外の体重が増えていることです。牛乳・乳製品を十分に摂取しながらダイエットを行うと、脂肪分だけを限定的に減少させる健康的ダイエットができるということです(図)。

また、最近のPurdue大学の研究では、女性を対象に2年間、カルシウム摂取量が1日780mgのグループと、780mg未満のグループに分けて比較すると、前者は体脂肪率が低下または維持されていましたが、後者は体脂肪率が上昇していました。

カルシウムが欠乏すると増加する1,25-ジヒドロキシビタミンDが脂肪細胞のCaイオンを刺激して、脂肪分解が抑制され脂肪蓄積が増加します。一方、カルシウムが増加すると、逆の作用が働き減量が促進されるものと考えられます。