Q4
現在の日本人はどんな栄養素が不足しているのですか?

日本人のカルシウム摂取不足は長年の問題でいまだに解決されていません。

日本人の食生活が豊かになり、各栄養素の必要な摂取量は充足され、さらに過剰になるなかで、カルシウムの摂取量だけは一貫して不足しています。平成16年11月に厚生労働省から発表された「日本人の食事摂取基準」(【資料】参照)では、カルシウムは従来の栄養所要量に替わって新しい考え方の目安量が設定されています。栄養所要量と目安量を単純に比較することはできませんが、便宜的に両者を比べると、カルシウムの目安量は、ほぼすべての年齢層で50〜300mg引き上げられました。したがって、カルシウムの目安量に対する充足率はさらに低くなると予想されます。

充足率がほぼ充たされているのは、乳幼児期の1〜6歳と
学校給食がある7〜14歳、60〜69歳だけです。

平成14年国民栄養調査の結果をみると、カルシウムの摂取量は従来の栄養所要量に対して88%で、12%も不足しています。
__充足率を性及び年齢別にみると、必要な摂取量がほぼ充たされているのは、乳幼児期の1〜6歳と学校給食がある7〜14歳、60〜69歳だけです。一生の骨量を決定するカルシウムの蓄積が最も盛んな成長期の15〜19歳で、男性が81%、、女性が73%と充足率が低いことは、将来の骨粗鬆症、骨折などのリスクを考えると憂慮すべき問題です。その後の20〜29歳男性は67%、女性は73%で、それぞれ2/3、3/4とさらに充足率は低下します。30〜49歳男性でも74〜85%で、その後60〜69歳では一度充足されますが、骨粗鬆症の発症多発年齢の70歳以上になると90%台に低下します。カルシウム不足は現代日本人の食生活にとって大きな課題といえます。