Q47
牛乳を摂取していると骨折しにくいって本当ですか?

若年者、高齢者を問わず、カルシウムの摂取量が少ないほど骨折率が高いというデータが出ています。

カルシウムの摂取不足が骨折の危険因子であるといわれていますが、それを実証する研究データは数多く報告されています。

図1は1992年に発表された牛乳摂取と骨折の関係についての調査結果です。60歳以上の女性を対象に大腿骨頸部骨折患者、手首骨折(コーレス骨折)患者、骨粗鬆症患者と健康人の4グループに分けて、牛乳摂取状況を検討しました。その結果、骨折患者では約半数が牛乳を飲む習慣がありませんでした。健康人では、逆に半数が毎日飲んでいました。骨折患者は日常の活動量が少なく、大腿骨頸部骨折患者の約74%が、手首骨折患者の約33%が骨粗鬆症を合併していました。

カリフォルニア大学のT.L.Holbrookらが米国の50〜79歳の男女957名を14年間追跡調査を実施しています。カルシウム摂取量が1,000kcal当たり283mg以下の群、284〜440mgの群、440mg以上の群に分けて骨折率を検討したところ、カルシウム摂取量が多い群ほど骨折率が低いというデータが出ています(図2)。また旧ユーゴスラビアの調査でも、牛乳摂取量の多い高カルシウム食群は、牛乳摂取量の少ない低カルシウム食群に比べて骨折率が低いという報告が出ています

牛乳嫌いの小児は骨折しやすいだけではなく、発育も悪く、身長も低いというデータが出ています。
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一方、小児の骨折に関するニュージーランドの調査では、牛乳嫌いの3〜10歳の小児は、骨の発育が悪く、身長も低く、18%が肥満でした。この調査に参加した小児の24%が過去に骨折の経験がありました。この数字は、同じ年齢集団の平均年間骨折率の3.5倍に達しています。