Q48
痛風の予防に乳製品は効果があるって本当ですか?

乳製品を多く摂取すると痛風の発症リスクが低下すると報告されています。

痛風は高尿酸血症ともいわれ、血液中に尿酸が増えてしまうことにより起こります。尿酸値は、激しい運動やストレスなどで体内で多く生成されたり、プリン体を多く含む肉類、貝類、ナッツ、かまぼこなどの過剰摂取によって上昇します。尿酸は健康なときには、液体に溶けた形で血液中に存在しますが、過剰になると結晶を生じ、関節などに沈着した場合に激しい痛風発作を起こします。痛風は男性に多く発症する炎症性関節炎で、米国では340万人の患者がいるといわれています。

痛風の既往歴のない47,150例の男性(40〜75歳)を対象に12年超にわたって摂取した食品と発症の関係について疫学調査が米国で実施されました。この調査期間中に730例の痛風の新症例が報告されました。調査方法は、プリン体を多く含む肉類、魚貝類などと、乳製品の摂取量を各々5段階にわけたグループごとの痛風の発症のリスクを検討しました。

プリン体を多く含む肉類、魚貝類は
摂取量が増えると痛風の発症リスクが増えます。

その結果、プリン体を多く含む肉類、魚貝類では、摂取量が最も多いグループは最も少ないグループを1とすると、それぞれ1.41、1.51と痛風発症のリスクが高いという結果が出ました。一方、乳製品では摂取量が増えるに連れてリスクが低下しました。痛風発症のリスクは、乳製品の摂取量が最も少ないグループを1とすると、最も多いグループでは0.56でした(図)。

乳製品が痛風の発症を抑制するメカニズムは、乳製品に含まれるたんぱく質(カゼインとラクトアルブミン)の尿酸排泄促進作用により、血液中の尿酸値を下げているためと考えられます。