【 資 料 】  日本人の食事摂取基準について

平成16年11月に公正労働省は、平成17年度〜平成21年度まで使用される「日本人の食事摂取基準」を発表しました。
__従来の「第六次改定日本人の栄養所要量 −食事摂取基準−」では、摂取基準の指標として、「平均必要量」、「栄養所要量」、「許容上限摂取量」が用いられてきましたが、今回から、エネルギーについては1種類、栄養素については5種類の新しい概念の指標が設定されました。

設定指標
食事摂取基準として、エネルギーについては1種類、栄養素については5種類の指標を設定した。

【エネルギー】
推定エネルギー必要量(EER:estimated energy requirement )
エネルギーの不足のリスク及び過剰のリスクの両者が最も小さくなる摂取量

【栄養素】
健康の維持・増進と欠乏症予防のために、「推定平均必要量」と「推奨量」の2つの値を設定した。しかし、この2指標を設定することができない栄養素については、「目安量」を設定した。また、生活習慣病の一次予防を専ら目的として食事摂取基準を設定する必要のある栄養素については、「目標量」を設定した。過剰摂取による健康障害を未然に防ぐことを目的として「上限量」を設定した。
推定平均必要量(EAR:estimated average requirement)
特定の集団を対象として測定された必要量から、性・年齢階級別に日本人の必要量の平均値を推定した。当該性・年齢階級に属する人々の50%が必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。
推奨量(RDA:recommended dietary allowance)
ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97〜98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。原則として「推定平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」とした。
目安量(AI:adequate intake)
推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量である。
目標量(DG:tentative dietary goal for preventing life-style related diseases)
生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)である。
上限量( UL:tolerable upper intake level)
ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量である。




< 参 考 >
平成16年度まで使用されていた「第六次改定日本人の栄養所要量 −食事摂取基準−」では、各栄養素の摂取基準として、「平均必要量」、「栄養所要量」、「許容上限摂取量」という指標が設定されていました。
平均必要量(average requirement)
栄養欠乏症を予防する観点から、特定の年齢層や性別集団の必要量を測定し、その集団における50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量
栄養所要量(recommended dietary allowance)
特定の年齢層や性別集団のほとんどの人(97〜98%)が1日の必要量を満たすのに十分な摂取量であり、原則として「平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」で表される。
許容上限摂取量(tolerable upper intake level)
過剰摂取による健康障害を予防する観点から、特定の集団においてほとんどすべての人に健康上影響を及ぼす危険のない栄養素摂取量の最大限の量。