_________”乳等省令”


  1. 乳及び乳製品の細菌数の測定法
    1. 生乳及び生山羊乳の直接個体鏡検法による細菌数の測定法
      1. 検体の採取
        ___滅菌かくはん器で容器内の乳を十分にかき混ぜた後、滅菌採取管で検体約二五mlから三〇mlまでの量を滅菌採取瓶に採り、四度以下の温度で保持又は運搬   する。検体は採取後四時間以内に試験に供しなくてはならない。四時間を超えた場合には、その旨を成績書に付記しなければならない。  
      2. 測定法
        ___検体をその容器とともに二五回以上よく振り、牛乳細菌用ミクロピペツトでその検体を適当に吸収し、白布をもつてピペツトの外壁に附着した乳を清し〈   ヽ〉き〈ヽ〉し、次にピペツト内の検体をその先端より白布を用いて吸引し、検体を正確に〇・〇一mlとなし、その全部を載物硝子上に放出し塗沫〈まつ〉針を用いて一cm2の面積に一様に塗り約五分間かすかに加温、乾燥した後、別記の色素溶液に瞬間浸して染色し、直ちに余液を振り落し、乾燥するのを待つて水洗し、再び乾燥して標本を作成する。
        ___油浸レンズを装置した顕微鏡を用い、対物測微計をもつて視野の直径を〇・二〇六oに調節し、前記の標本を鏡検し、一六以上の代表的視野の細菌数を個々に測定し、一視野に対する平均数を求める。これに三〇万を乗じた数値の上位二けたを有効数字として略算したものを生乳又は生山羊乳一ml中の細菌数とする。
      3. 色素溶液の調製法
        ___フラスコ中にテトラクロールエタン四〇ml及び無水エタノール五四mlを入れ七〇度まで加温し、これにメチレンブルー一・〇〇gから一・一二gまでを混じ強く振つて色素を完全に溶かし、冷却するのを待つて、酢酸六mlを徐々に加えろ過した後密栓して貯える。
    2. 牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、乳飲料、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳及び調製粉乳の標準平板培養法による細菌数(生菌数)の測定法
      1. 検体の採取及び試料の調製法
        ___牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム及び乳飲料にあつては容器包装のまま採取するか、又はその成分規格に適合するかしないかを判断することのできる数量を滅菌採取器具を用いて無菌的に滅菌採取瓶に採り、濃縮乳及び脱脂濃縮乳にあつてはa 生乳及び生山羊乳の直接個体鏡検法による細菌数の測定法A 検体の採取に定める方法により約二〇〇gを採取する。この場合四度以下の温度で保持し運搬する。検体はその後四時間以内に試験に供しなくてはならない。四時間を超えた場合は、その旨を成績書に付記しなければならない。
        ___次に、濃縮乳及び脱脂濃縮乳を除き、滅菌採取瓶に採取したものにあつてはそのまま、容器包装のまま採取したものにあつてはその全部を滅菌広口瓶に無菌的に移し、二五回以上よく振り滅菌牛乳用ピペツトをもつて滅菌希釈瓶を用いて一〇倍及び一〇〇倍の希釈液を、更に希釈をする場合には滅菌化学用ピペツトをもつて同様に希釈液をつくる。
        ___無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳及び調製粉乳にあつては容器包装のまま採取するか、又はその成分規格に適合するかしないかを判断することのできる数量を滅菌採取器具を用いて無菌的に滅菌採取瓶に採り、濃縮乳及び脱脂濃縮乳にあつては滅菌採取瓶のまま、二五回以上よく振り、滅菌スプーンで検体一〇gを共栓三角フラスコ(栓を除いて重量八五g以下で一〇〇mlの所にかく線を有するもの)に採り、滅菌生理食塩水を加え一〇〇mlとして一〇倍希釈液をつくり、以下牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム及び乳飲料と同様に希釈液をつくる。
      2. 測定法
        ___牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、乳飲料、濃縮乳、脱脂濃縮乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳   、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳及び調製粉乳の各希釈液で一平板に、三〇個から三〇〇個までの集落が得られるような希釈液を選択し、同一希釈液に対し滅菌ペトリー皿二枚以上を用意し滅菌ピペツトでそれぞれの希釈液各一mlずつを正確に採り、これにあらかじめ加温溶解して四三度から四五度までの温度に保持した標準寒天培養基約一五mlを加え、静かに回転、前後左右に傾斜して混合し、冷却凝固させる。
        ___試料をペトリー皿に採つてから培養基を注加するまでに二〇分以上を経過してはならない。
        ___培養基が凝固したならば、これを倒置して三二度から三五度までの温度で四八時間(前後三時間の余裕を認める。)培養後発生した集落数を算定する。この場合培養時間を経過した後、直ちに算定できない場合は、これを取り出して五度以下の冷蔵庫に保存すれば、二四時間以内は算定に供し得る。
        ___試料を加えないで希釈用液一mlと培養基とを混合したものを対照とし、ペトリー皿、希釈液及び培養基の無菌であつたこと並びに操作が完全であつたことを確かめなくてはならない。
        ___ペトリー皿は直径九pから一〇pまで、深さ一・五pとする。
        ___無糖れん乳及び無糖脱脂れん乳は調製した一〇倍希釈液一〇mlを二mlずつ滅菌ペトリー皿五枚に採り、以下牛乳と同様に実施する。
        ___細菌数算定は、次の要領による。
        ___無糖れん乳及び無糖脱脂れん乳を除いては一平板の集落数三〇個から三〇〇個までの場合及び拡散集落があつてもその部分が平板の二分の一以下で他の集落がよく分散していて、算定に支障のないものを選び出し、集落計算器を用いて常に一定した光線の下で集落数を計測し、一平板の集落数又は二枚以上の平均集落数に希釈倍数を乗じた数字を記載する場合、高位から三けた目を四捨五入して二けたのみを記載しそれ以下は〇を附する。
        ___次の場合はこれを試験室内事故とする。
        集落の発生のなかつた場合(常温保存可能品、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳及び摂氏一一五度で一五分間以上加熱殺菌した乳飲料の場合を除く。)
        拡散集落の部分が平板の二分の一を超えた場合
        汚染されたことが明らかなもの
        その他不適当と思われるもの
        培 地
        標準寒天培養基
        ペプトン五g、酵母エキス二・五g、ブドウ糖一g及び寒天一五gを精製水一、〇〇〇mlに合して加熱して溶かし、高圧滅菌する(滅菌後のpHは七・〇から七・二までとする。)。
9 乳及び乳製品の大腸菌群の測定法
___本試験における大腸菌群とは、グラム陰性、無芽胞性の桿〈かん〉菌で乳糖を分解してガスを___発生するすべての好気性及び通性嫌気性の細菌をいう。
  1. 検体の採取及び試料の調製法
    ___(1) 乳及び乳製品の8 乳及び乳製品の細菌数の測定法のb(標準平板培養法)のAに準ずる。
  2. 測定法
    ___検体一ml及びその一〇倍希釈液、一〇〇倍希釈液の各一mlを二本ずつB・G・L・B・はつ酵管に接種し、三二度から三五度までの温度で四八時間(前後三時間の余裕を認める。)培養してガス発生の有無を観察する。
    ___ガス発生を認めないものは、大腸菌群陰性とし、ガス発生を認めた場合には、そのはつ酵管を採り、一白金耳を遠藤培養基又はE・M・B・培養基にかく線培養して、独立した集落を発生せしめる。三二度から三五度までの温度で二四時間(前後二時間の余裕を認める。)培養後遠藤培養基又はE・M・B・培養基から定型的大腸菌群集落又は二個以上の非定型的集落を釣〈ちよう〉菌して、乳糖ブイヨンはつ酵管及び寒天斜面にそれぞれ移植する。
    ___乳糖ブイヨンはつ酵管は三二度から三五度までの温度で四八時間(前後三時間の余裕を認める。)、寒天斜面は三二度から三五度までの温度で二四時間培養し、乳糖ブイヨンはつ酵管においてガス発生を確認した場合に、これと相対する寒天斜面培養について鏡検し、グラム陰性無芽胞悍〈かん〉菌を認めた場合を大腸菌群陽性とする。
    ○培 地
    1. B・G・L・B・はつ酵管
      ___ペプトン一〇g及び乳糖一〇gを蒸留水五〇〇mlに溶解し、これに新鮮な牛胆汁二〇〇ml(又は乾燥牛胆末二〇gを水二〇〇mlに溶解したものでpH七・〇から七・五までのもの)を加えて約九七五mlとしpH七・四に修正し、これに〇・一%のブリリアントグリーン水溶液一三・三mlを加えて、全量を一、〇〇〇mlとし、綿ろ過し、ダーラム管を入れた試験管に約一〇mlずつ分注して後間けつ滅菌する(滅菌後のpHは七・一から七・四までとする。)。
    2. 遠藤培養基
      ___三%の普通寒天(pH七・四から七・八までのもの)一、〇〇〇mlを加温溶解し、これにからかじめ少量の水に溶した乳糖一五gを加えてよく混和する。さらにこれにフクシンのエタノール飽和溶液(エタノール一〇〇mlにフクシン約一一gを溶かしたもの)一・〇mlを加え冷却して約五〇度になつたとき、新たに製した一〇%の亜硫酸ナトリウム溶液を少量ずつ加える。フクシンの色が淡桃色になつたとき滴加を止める。
      ___これを試験管又はフラスコに四〇mlから一〇〇mlまでを分注し、間けつ滅菌し、用に臨み溶かして平板とする。
    3. E・M・B・培養基
      ___ペプトン一〇gリン酸二カリウム(K2HPO4)二g及び寒天二五gから三〇gまでを蒸留水一、〇〇〇mlに加え加熱溶解し、沸騰後蒸発水量を補正する(pHの修正不要。)。これに乳糖一〇g二%エオジン水溶液(エオジン黄)二〇ml及び〇・五%メチレンブルー水溶液一三mlを加えてよく混和し、分注し、間けつ滅菌して用に臨み平板とする。
    4. 乳糖ブイヨンはつ酵管
      ___普通ブイヨンに乳糖を〇・五%の割合に加えて、ダーラム管を入れた試験管に約一〇mlずつ分注し、間けつ滅菌する(滅菌後のpHは六・四から七・〇までとする。)。
10 乳のアルコール試験法
___試料二mlを小型ペトリー皿に採り、これに試料と同容量の七〇%(v/v)エタノールを加えて混___和し、凝固物の生成の有無を観察する。肉眼で凝固物を認めない場合をアルコール試験陰性___とする。

11 乳のイソメタミジウム試験法

  1. 装置
    ___可視分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
  2. 試薬・試液
    ___次に示すもの以外は、食品、添加物等の規格基準第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目の(2) 試薬・試液に示すものを用いる。
    ギ酸アンモニウム ギ酸アンモニウム(特級)
    ヘプタンスルホン酸ナトリウム 一―ヘプタンスルホン酸ナトリウム(特級)
  3. 標準品
    ___塩化イソメタミジウム 本品は塩化イソメタミジウム九九%以上を含む。
    ___融点 本品の融点は二四四度から二四五度である。
  4. 試験溶液の調製
    ___試料五・○○gを量り採り、アセトニトリル一五ml及び○・二五 mol/lギ酸アンモニウム・メタノール溶液一五mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜた後、毎分三、○○○回転で五分間遠心分離を行い、アセトニトリル・メタノール層をすり合わせ減圧濃縮器中に移す。沈殿にアセトニトリル一五ml及び○・二五 mol/lギ酸アンモニウム・メタノール溶液一五mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜた後、前記と同様の条件で遠心分離を行い、アセトニトリル・メタノール層をそのすり合わせ減圧濃縮器中に合わせ、三○度以下でアセトニトリル及びメタノールを除去する。この残留物に酢酸エチル一五ml及び水一五mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜた後、酢酸エチル層を捨て、水層に酢酸エチル一五mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜる。酢酸エチル層を捨て、水層に塩化ナトリウム一gを加えて溶かし、アセトニトリル一五mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜた後、アセトニトリル層をすり合わせ減圧濃縮器中に移す。水層にアセトニトリル一五mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜた後、アセトニトリル層をそのすり合わせ減圧濃縮器中に合わせ、三○度以下でアセトニトリルを除去する。この残留物に○・二五 mol/lギ酸アンモニウム・メタノール溶液一・○mlを加えて溶かし、これを試験溶液とする。
  5. 操作法
    1. 定性試験
      ___次の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。
      操作条件
      ___カラム充てん剤 オクチルシリル化シリカゲル(粒径五μm)を用いる。
      ___カラム管 内径四・○oから六・○oまで、長さ一五○oのステンレス管を用い_______________る。
      ___カラム温度 四○度
      ___検出器 吸光波長三八○nmで操作する。
      ___移動相 アセトニトリル及び○・○○五mol/lヘプタンスルホン酸ナトリウム含有○・○三mol/lクエン酸溶液をそれぞれ三対七の割合で混合した溶液を用いる。
      イソメタミジウムが約一○分で流出する流速に調整する。
    2. 定量試験
      ___A 定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき、ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。
12 乳のオキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン及びテトラサイクリン試験法
  1. 装置
    ___蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
  2. 試薬・試液
    ___次に示すもの以外は、食品、添加物等の規格基準第1
    ___食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目の(2) 試薬・試液に示すものを用いる。
    ___イミダゾール イミダゾール(特級)
    ___イミダゾール緩衝液 イミダゾール六八・○八g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム○・三七g及び酢酸マグネシウム一○・七二gを水に溶かして八○○mlとする。これに酢酸を加えてpH七・二に調整し、水を加えて一、○○○mlとする。
    エチレンジアミン四酢酸含有クエン酸緩衝液
    ___第一液 クエン酸二一・○gを水に溶かして一、○○○mlとする。
    ___第二液 リン酸二ナトリウム七一・六gを水に溶かして一、○○○mlとする。
    エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム一・八六gに第一液三○七mlと第二液一九三mlを混和したものを加えて溶かす。
    スチレンジニビルベンゼン共重合体ミニカラム(二六五r) 内径八oから九oまでのポリエチレン製のカラム管に、カラムクロマトグラフィー用に製造し   たスチレンジビニルベンゼン共重合体二六五rを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
  3. 標準品
    塩酸オキシテトラサイクリン 本品一・〇〇〇rはオキシテトラサイクリン〇・八五〇r力価以上を含む。
    ___分解点 本品の分解点は一九〇度から一九四度である。塩酸クロルテトラサイクリン 本品一・〇〇〇rは塩酸クロルテトラサイクリン〇・九〇〇r力価以上を含む。
    ___分解点 本品の分解点は二一〇度以上である。
    塩酸テトラサイクリン 本品一・〇〇〇rは塩酸テトラサイクリン〇・九〇〇r力価以上を含む。
    ___分解点 本品の分解点は二一四度である。
  4. 試験溶液の調製
    1. 抽出法
      ___試料五・〇〇gを量り採り、エチレンジアミン四酢酸含有クエン酸緩衝液三〇ml及びn―ヘキサン二〇mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜる。次いで毎分三、〇〇〇回転で一〇分間遠心分離を行い、水層を分取する。  
    2. 精製法
      ___スチレンジビニルベンゼン共重合体ミニカラム(二六五mg)に、メタノール一〇ml、水一〇ml、飽和エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液五mlを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムにA 抽出法で得られた溶液を注入した後、水一〇mlを注入し、流出液は捨てる。このカラムにメタノール一〇mlを注入し、流出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り、四〇度以下でメタノールを除去する。この残留物に一・三六%リン酸一カリウム溶液一・〇mlを加えて溶かし、これを試験溶液とする。
  5. 操作法
    1. 定性試験
      ___次の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。
      操作条件
      ___カラム充てん剤 オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径五μm)を用いる。
      カラム管 内径四・〇oから六・〇oまで、長さ一五〇oのステンレス管を用いる。
      カラム温度 四〇度
      検出器 励起波長三八〇nm、蛍光波長五二〇nmで操作する。
      移動相 オキシテトラサイクリン及びテトラサイクリンの試験を行う場合は、イミダゾール緩衝液及びメタノールを一七対三の割合で混合した溶液を用いる。オキシテトラサイクリンが約五分で流出する流速に調整する。クロルテトラサイクリンの試験を行う場合は、イミダゾール緩衝液及びメタノールを三対一の割合で混合した溶液を用いる。クロルテトラサイクリンが約七分で流出する流速に調整する。
    2. 定量試験
      ___A 定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき、ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。
13 乳のスピラマイシン及びネオスピラマイシン試験法
  1. 装置
    ___紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
  2. 試薬・試液
    ___次に示すもの以外は、食品、添加物等の規格基準第1
    ___食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目の(2)
    試薬・試液に示すものを用いる。
    強酸性陽イオン交換体ミニカラム(五○○r) 内径八oから九oまでのポリエチレン製のカラム管にプロピルベンゼンスルホン酸シリル化シリカゲル五○○rを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
    リン酸緩衝液(pH二・五) リン酸一ナトリウム七・八○gを水に溶かして一、○○○mlとし、リン酸を加えてpH二・五に調整する。
    リン酸緩衝液(pH三・○) リン酸一ナトリウム七・八○gを水に溶かして一、○○○mlとし、リン酸を加えてpH三・○に調整する。
  3. 標準品
    スピラマイシンT 本品はスピラマイシンT九九%以上を含む。
    ___融点 本品の融点は一三四度から一三七度である。
    ネオスピラマイシンT 本品はネオスピラマイシンT九三%以上を含む。
    ___融点 本品の融点は一一九度から一二○度である。
  4. 試験溶液の調製
    1. 抽出法
      ___試料五・○○gを量り採り、メタノール及び○・四%メタリン酸溶液をそれぞれ一対一の割合で混合した溶液三五mlを加え、振とう機を用いて五分間激しく振り混ぜた後、毎分三、○○○回転で一○分間遠心分離を行い、綿栓ろ過する。
    2. 精製法
      ___強酸性陽イオン交換体ミニカラム(五○○r)に、メタノール三ml及び水三mlを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムにA 抽出法で得られた溶液を注入した後、メタノール及びリン酸緩衝液(pH三・○)をそれぞれ九対一の割合で混合した溶液三ml、水五ml及び○・一 mol/lリン酸二カリウム溶液三mlを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムにメタノール及び○・一 mol/lリン酸二カリウム溶液をそれぞれ九対一の割合で混合した溶液一○mlを注入し、流出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り、四○度以下でメタノール及び水を除去する。この残留物にアセトニトリル及び○・○五 mol/lリン酸二カリウム溶液をそれぞれ三対七の割合で混合した溶液一・○mlを加えて溶かし、これを試験溶液とする。
  5. 操作法
    1. 定性試験
      ___次の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。
      操作条件
      ___カラム充てん剤 オクタデシルシリル化シリカゲルを用いる。
      ___カラム管 内径四・○oから六・○oまで、長さ一五○oのステンレス管を用い_______________る。
      ___カラム温度 四○度
      ___検出器 吸光波長二三五nmで操作する。
      ___移動相 アセトニトリル及びリン酸緩衝液(pH二・五)をそれぞれ一対三の割合で混合した溶液を用いる。スピラマイシンTが約一○分で流出する流速に調整する。
    2. 定量試験
      ___A 定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき、ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。