_________”乳等省令”

四 乳等の器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の
規格及び製造方法の基準

(二) 乳等の容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法の基準
(1) 牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、はつ酵乳、
_________乳酸菌飲料及び乳飲料の容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法の基準

  1. 牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳及びクリームの販売用の容器包装は、ガラス瓶、合成樹脂製容器包装(ポリエチレン又はエチレン・1―アルケン共重合樹脂(以下この号において「合成樹脂」という。)を用いる容器包装をいう。以下この号において同じ。)、合成樹脂加工紙製容器包装(ポリエチレン加工紙又はエチレン・1―アルケン共重合樹脂加工紙(以下この号において「合成樹脂加工紙」という。)を用いる容器包装をいう。以下この号において同じ。)、金属缶(クリームの容器として使用するものに限る。以下この号において同じ。)又は組合せ容器包装(牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳及び加工乳にあつては合成樹脂及び合成樹脂加工紙を用いる容器包装、クリームにあつては合成樹脂、合成樹脂加工紙又は金属のうち二以上を用いる容器包装をいう。以下この号において同じ。)であつて、それぞれ次の規格又は基準に適合するものであること。
aガラス瓶は、着色していない透明なものであつて、口内径が二六o以上のものであること。
b合成樹脂製容器包装及び合成樹脂加工紙製容器包装は、次の条件に適合するものであること。

______A 次の試験法による試験に適合するものであること

___この場合イ、ロ及びハの試験に用いる試験溶液は、試料を水でよく洗つた後、各試験法に規定されている浸出用液を用いて、液体を満たすことができる試料にあつては、浸出用液を六〇度(n―ヘプタンにあつては、二五度)に加温して満たした後、液体を満たすことができない試料にあつては、ゴム製の台板上に内容物が直接接触する面を上にして置き、ステンレス製又はガラス製の円筒形の筒を載せ、締付金具を用いて締め、表面積一cm2当たり二mlの割合で六〇度(n―ヘプタンにあつては、二五度)に加温した浸出用液を入れた後、それぞれ時計皿で覆い、六〇度(n―ヘプタンにあつては、二五度)に保ちながら時々かき混ぜて三〇分間(n―ヘプタンにあつては、一時間)浸出し調製する。
イ 重金属
___浸出用液として四%酢酸を用いて作つた試験溶液二〇mlをネスラー管に採り、水を加えて五〇mlとする。これに硫化ナトリウム試液二滴を加えて混和し、五分間放置するとき、その呈色は、鉛標準溶液二mlに四%酢酸二〇ml及び水を加えて五〇mlとし、以下試験溶液の場合と同様に操作して作製した標準色より濃くてはならない。
___硫化ナトリウム試液 硫化ナトリウム五gを水一〇ml及びグリセリン三〇mlの混液に溶かす。又は水酸化ナトリウム五gを水三〇ml及びグリセリン九〇mlの混液に溶かし、その半容量を採り、冷時硫化水素を飽和し、これを残りの半容量と混和する。遮光した小瓶に満たし、密栓して保存する。作製後三月以内に使用する。
___鉛標準溶液 硝酸鉛一五九・八rを希硝酸(硝酸一〇・五mlに水を加えて一〇〇mlとしたもの)一〇mlに溶かし、水を加えて一、〇〇〇mlとし原液とする。この液の作製及び保存には可溶性鉛塩を含まないガラス器具を用いる。
___原液一〇mlを採り、水を加えて一〇〇mlとする。この液一mlは鉛〇・〇一rを含む。この液は用時作製する。
ロ 蒸発残留物
___浸出用液として、牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳及び加工乳の容器包装にあつては四%酢酸を用いて作つた試験溶液二〇〇mlから三〇〇ml(クリームの容器包装にあつては、n―ヘプタンを用いて作つた試験溶液二〇〇mlから三〇〇mlをナス型フラスコに移し、減圧濃縮して二mlから三mlとしたその濃縮液及びそのフラスコをn―ヘプタン約五mlずつで二回洗つたその洗液)を、あらかじめ一〇五度で乾燥した重量既知の白金製又は石英製の蒸発皿に採り、水浴上で蒸発乾固する。次に、これを一〇五度で二時間乾燥した後、デシケーター中で放冷する。冷後、ひよう量して蒸発残渣〈さ〉量を精密に量り、この残渣〈さ〉量(r)をAとし次式により蒸発残留物の量を求めるとき、その量は一五ppm以下でなければならない。
___蒸発残留物(ppm)=(A−B)×1,000/試験溶液の採取量(ml)×F
___B:試験溶液と同量の4%酢酸又はn―ヘプタンについて得た空試験時の残渣〈さ〉量(r)
___F:浸出用液として4%酢酸を用いた場合は1、n―ヘプタンを用いた場合は5
ハ 過マンガン酸カリウム消費量
___三角フラスコに水一〇〇ml、硫酸(一→三)五ml及び〇・〇〇二mol/l過マンガン酸カリウム溶液五mlを入れ、五分間煮沸した後、液を捨て水で洗う。この三角フラスコに浸出用液として水を用いて作つた試験溶液一〇〇mlを採り、硫酸(一→三)五mlを加え、更に〇・〇〇二mol/l過マンガン酸カリウム溶液一〇mlを加え、加熱して五分間煮沸する。次に、加熱をやめ、直ちに〇・〇〇五mol/lシユウ酸ナトリウム溶液一〇mlを加えて脱色した後、〇・〇〇二mol/l過マンガン酸カリウム溶液で微紅色が消えずに残るまで滴定し、その滴定量(ml)をAとして次式により過マンガン酸カリウム消費量を求めるとき、その量は五ppm以下でなければならない。
___過マンガン酸カリウム消費量(ppm)=(A−B)F×1,000/100×0.316
___B:試験溶液と同量の水について得た空試験時の0.002mol/l過マンガン酸カリウム溶液の滴
_______定量(ml)
___F:0.002mol/l過マンガン酸カリウム溶液の規定度係数
___〇・〇〇二mol/l過マンガン酸カリウム溶液 過マンガン酸カリウム約〇・三三gを水に溶かして一、〇〇〇mlとし、遮光した共栓瓶に保存する。用時〇・〇〇五mol/lシユウ酸ナトリウム溶液を用いて標定する。
___標定 水一〇〇mlを採り、硫酸(一→三)五ml及び過マンガン酸カリウム溶液五mlを加えて五分間煮沸する。次に、加熱をやめ、直ちに〇・〇〇五mol/lシユウ酸ナトリウム溶液一〇mlを加えて脱色した後、過マンガン酸カリウム溶液を微紅色が消えずに残るまで滴加する。この液に硫酸(一→三)五ml及び過マンガン酸カリウム溶液五mlを加え、五分間煮沸した後、〇・〇〇五mol/lシユウ酸ナトリウム溶液一〇mlを加え、直ちに過マンガン酸カリウム溶液で滴定し、次式により過マンガン酸カリウム溶液の規定度係数を求める。
___規定度係数=10/(5+a)
___a:過マンガン酸カリウム溶液の滴定量(ml)
______〇・〇〇五mol/lシユウ酸ナトリウム溶液 シユウ酸ナトリウム〇・六七〇〇gを水に溶かし
______て一、〇〇〇mlとし、遮光した共栓瓶に保存する。作製後一月以内に使用する。
ニ 破裂強度
___容器包装の中央部分を切り取り試料とする。試料を図のように固定し、圧力室へ毎分九五ml±一〇mlの割合でグリセリンを注入し、圧力を加え、破れが生じるまでの最大値を測定し、その値をkPaで表すとき、その値は、内容量が三〇〇ml以下のものにあつては一九六・一kPa(常温保存可能品の容器包装にあつては三九二・三kPa)以上、三〇〇mlを超えるものにあつては四九〇・三kPa(常温保存可能品の容器包装にあつては七八四・五kPa)以上でなければならない。
ホ 封かん強度
___密栓した容器包装の側面又は底面の中央に直径〇・五pから一・〇pの穴をあけ(内容物があるものにあつては、これを除去する。)、送気用ノズルを装着し、図のように圧縮機及び圧力計を接続する。
___次に、圧縮機を作動して、一〇秒間で一三・三kPaまで加圧を行うとき、容器包装の破損又は空気漏れがないものでなければならない。
ヘ ピンホール
___容器包装に一〇%エタノールに〇・四%の割合でメチレンブルーを溶かした溶液を満たし、これをろ紙上に置き、三〇分間静置した後、ろ紙上にメチレンブルーのはん点を生じないものでなければならない。
合成樹脂加工紙製容器包装にあつては、内容物に直接接触する部分が合成樹脂であること。
内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂には、添加剤を使用してはならない。ただし、合成樹脂製容器包装であつて、合成樹脂一sに対しステアリン酸カルシウム(日本薬局方に規定するステアリン酸カルシウムに限る。)を二・五g以下若しくはグリセリン脂肪酸エステル(食品、添加物等の規格基準に規定するグリセリン脂肪酸エステルの成分規格に適合するものに限る。)を〇・三g以下使用する場合又は二酸化チタン(食品、添加物等の規格基準に規定する二酸化チタンの成分規格に適合するものに限る。)を使用する場合については、この限りでない。
内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂は、次の試験法による試験に適合するものであること。
n―ヘキサン抽出物
___試料約二・五gを精密に量り、温度計、還流冷却器及びかくはん棒を装置した二、〇〇〇mlの三頚〈けい〉フラスコに採り、n―ヘキサン一、〇〇〇mlを加え、これを二〇分から二五分の間に五〇度となるように徐々に加熱し、この温度で二時間保つた後抽出液を温時ろ過して重量既知の共栓三角フラスコ中に採り、ろ液の重量を量る。この場合、回収率は少なくとも最初の溶媒の九〇%以上でなければならない。
___次に、ろ液の約半量を一、〇〇〇mlのビーカーに移し、ビーカーをガラスカバーで覆い、窒素を連続的に流しながら溶媒を蒸発させる。溶媒を蒸発させながら残りのろ液及び最後に三角フラスコをn―ヘキサン二〇mlずつで二回洗つた洗液を加え、全溶液を約五〇mlまで濃縮した後、これを重量既知の石英製蒸発皿に採り、ビーカーを二〇mlずつ温n―ヘキサンで二回洗い、洗液を蒸発皿に合わす。ビーカー中に温n―ヘキサン不溶性の残渣〈さ〉のあるときは、トルエンを加え加熱して溶かし、蒸発皿に合わす。蒸発皿を注意して水溶上で加熱して溶液を蒸発乾固した後、真空デシケーター中に入れ、一二時間放冷後蒸発残渣〈さ〉量を精密に量り、この残渣〈さ〉量(g)をAとし次式によりn―ヘキサン抽出物を求めるとき、その量は二・六%以下でなければならない。
___n―ヘキサン抽出物(%)=A−B/試料(g)×100
___B:試験溶液と同量の溶剤について得た空試験時の残渣〈さ〉量(g) 
キシレン可溶物
___試料五・〇〇g±〇・〇〇五gを精密に量り、温度計及び還流冷却器を装置した二、〇〇〇mlの二頚〈けい〉フラスコに採り、キシレン一、〇〇〇mlを加え、これにガラス製沸騰石を投入した後急速に加熱し、沸騰開始後は還流が起こる程度に加熱を続ける。二時間還流後フラスコを五〇度まで冷却し、更に冷水により二五度から三〇度までの温度に急速に冷却した後、二五度±一度の恒温槽中に一夜放置する。
___次に、抽出液をろ紙、更にガラスろ過器を用いてろ過し、最初のろ液四五〇mlから五〇〇mlを重量既知の一、〇〇〇mlの三角フラスコ中に採り、これを精密に量り、このろ液の重さ(g)をW1とする。三角フラスコ中にマグネチツクスターラーを入れ冷却管に連結後、窒素を毎分二lから三lの速度で吹き込み、かくはんしながら毎分一二mlから一三mlの速度で蒸留する。
___フラスコ中の溶液が三〇mlから五〇mlとなつたとき、これを重量既知の乾燥蒸発皿に採り、フラスコを約一五mlずつのキシレンで二回洗浄し、洗液は蒸発皿に合わす。次に、蒸発皿上に静かな窒素気流を送り、過熱しないよう注意しながら熱板上で蒸板乾固させる。蒸発皿を真空デシケーター中で一二時間放冷した後、蒸発残渣〈さ〉量を精密に量り、この残渣〈さ〉量(g)をW2とし、次式によりキシレン可溶物を求めるとき、その量は一一・三%以下でなければならない。
___キシレン可溶物(%)=(W2−W3)/W1×ρ×103/試料(g)×100
___W3:試験溶液と同量の溶剤について得た空試験時の残渣〈さ〉量(g)
___ρ:キシレンの密度
ヒ素
___試料二gを分解フラスコに採り、硝酸二〇mlを加えて内容物が流動状になるまで弱く加熱する。冷後硫酸五mlを加えて白煙が発生するまで加熱し、液がなお褐色を呈するときは冷後硝酸五mlを追加して加熱する。この操作を液が無色又は淡黄色となるまで繰り返す。冷後飽和シユウ酸アンモニウム溶液一五mlを加え、再び白煙が発生するまで加熱し、冷後水を加えて二五mlとし、これを試験溶液とする。
___試験溶液五mlを採り、食品、添加物等の規格基準第2 添加物の部B 一般試験法の項のヒ素試験法中の装置Aを用いる方法により試験を行うとき、その呈色はヒ素標準液四mlを分解フラスコに採り、硝酸二〇mlを加え以下試料の場合と同様に操作して作製した標準色より濃くてはならない。
重金属
___試料二gを白金製又は石英製の蒸発皿に採り、少量の硫酸を加え、徐々に加熱してできるだけ低温でほとんど灰化させる。冷後更に硫酸一mlを加えて徐々に加熱し、硫酸の蒸気がほとんど発生しなくなつた後、火力を強めて四五〇度から五五〇度でほとんど白色の灰分が得られるまで加熱する。残留物に塩酸一ml及び硝酸〇・二mlを加え、水浴上で蒸発乾固し、これに希塩酸(塩酸二三・六mlに水を加えて一〇〇mlとしたもの、以下この試験において同じ。)一ml及び水一五mlを加え、加熱して溶解し、冷後フエノールフタレイン試液一滴を加え、溶液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を滴加し、希酢酸(酢酸六gに水を加えて一〇〇mlとしたもの、以下この試験において同じ。)二mlを加え、必要があればろ過し、水を加えて五〇mlとし、これを試験溶液とする。
___試験溶液五〇mlに硫化ナトリウム試液二滴を加えて混和し、五分間放置するとき、その呈色は鉛標準溶液四mlに希酢酸二ml及び水を加えて五〇mlとし、以下試験溶液の場合と同様に操作して作製した標準色より濃くてはならない。
___フエノールフタレイン試液 フエノールフタレイン一gをエタノール一〇〇mlに溶かす。
___アンモニア試液 アンモニア水一〇mlに水を加えて三〇mlとする。
___硫化ナトリウム試液 Aのイ 重金属に規定する硫化ナトリウム試液を用いる。
___鉛標準溶液 Aのイ 重金属に規定する鉛標準溶液を用いる。
常温保存可能品の容器包装にあつては、遮光性を有し、かつ、気体透過性のないものであること。
金属缶は、次号cに規定する条件に適合するものであること。
組合せ容器包装は、合成樹脂及び合成樹脂加工紙にあつてはそれぞれbに規定する合成樹脂製容器包装及び合成樹脂加工紙製容器包装の規格又は基準(常温保存可能品に係る規格を除く。)に、金属にあつてはcに規定する金属缶の規格又は基準に適合するものであること。この場合において、bのAに規定する規格(封かん強度を除く。)については、合成樹脂及び合成樹脂加工紙のそれぞれについて試験に適合するものとし、破裂強度中試料は合成樹脂及び合成樹脂加工紙を用いた部分のそれぞれの中央部分を切り取つたものとし、bのBに規定する規格中「合成樹脂加工紙製容器包装」とあり、bのCに規定する基準中「合成樹脂製容器包装」とあるのは「組合せ容器包装」と読み替えるものとする。