牛乳栄養学術研究会が循環器系の専門医や脂質代謝を専門にしている医師などを組織して実施してきた研究によれば、1日600ml以下の牛乳を毎日摂取した場合、最初の2〜3週間は血清コレステロール値が若干上昇するものの、その後は減少傾向を示し、やがては殆どスタートの値に戻ることが確認されています。 血清コレステロールが多くなる原因に、肝臓病や腎臓病、ホルモン系の病気などもあげられますが、一般には毎日の食生活が深く関与しています。 わたしたちの体は、食べ物から取り入れるコレステロール量に応じて、肝臓で合成されるコレステロール量をうまく加減して、血清コレステロールの量をほぼ一定に保っています。 また、血清コレステロールの低値は鬱(うつ)病や癌の危険因子と認識されているだけではなく、最近の調査によれば、血清コレステロール値が正常域の上限近くにあるひとの方が、健康で長寿を全うしているひとが多いです。 東京都老人総合研究所の報告によると、東京都で最も長寿な地域である小金井市の70歳の住民を15年間にわたる追跡調査を行った結果、牛乳を毎日200ml以上飲む群の生存率が、そうでない群より有意に高かったといいます。 なおコレステロールはヒトの身体に欠かせない大切な生体構成成分であることも指摘しておきたいと思います。 (1)・細胞膜の構成材料となる。 |