”疫学”の落とし穴に落ちないでくださいね。 例えば、ある大腸癌の後方位疫学調査では、大腸癌患者では牛乳摂取量が多かったと報告された。しかし、両者の間に因果関係があるということが、すぐに結びつくものではありません。 この時の疫学調査では、同時に脂肪摂取の多さの影響が指摘されています。脂肪の摂取量が多くなると胆汁酸の分泌量が多くなり、それに伴って二次胆汁酸の産出量が多くなります。二次胆汁酸は大腸癌の原因物質として知られているので、脂肪の摂取量が多くなることは明らかに大腸癌の危険因子と言えます。 牛乳摂取量の増加と大腸癌はどうして結びつくのでしょうか・・・?。 これとは別に、牛乳については、摂取量が多い人ほど胃癌発症頻度の低いことが認知されていて大腸癌との直接的因果関係はないと考えるべきでしょう。 ちなみに、疫学調査により、カルシウム摂取量の多い地域には大腸癌が少なく、摂取量の少ない地方には大腸癌が多いことが分かっています。 どれほぼ栄養バランスに優れた食品であっても、単一の食品に偏った食生活を送ることは生活習慣病の危険因子となり得ます。 繰り返し強調したいのは、これは全ての食品について言えることです。 |