【8】カルシウムの1日当たりの所要量および上限量はどのくらいか、
また、過剰にカルシウムを摂取するとどうなるのか・・・?

カルシウムの1日当たりの所要量は成人で600〜700mg。
許容上限摂取量は18歳以上で2,500mg/日が設定されています。

仮に、牛乳を毎日1,000ml摂取し続けても、そのカルシウムの量は1,135mgで、通常の食生活においてカルシウムのみの過剰摂取を心配する必要はありません。

【第6次改定日本人の栄養所要量】によるとカルシウム1日当たりの摂取基準は表のようになっています。
第6次改定日本人の栄養所要量
年齢
(歳)
カルシウム
所要量(mg)許容上限
摂取量(mg)
0〜(月)200 ---
6〜(月)500---
1〜2500 ---
3〜5500 ---
6〜8600600---
9〜11700700 ---
12〜14900700 ---
15〜17800700---
18〜297006002,500
30〜496006002,500
50〜696006002,500
70以上600600---
妊婦+300 2,500
授乳婦+5002,500

カルシウムの過剰摂取により起こる障害として、泌尿器系結石、ミルクアルカリ症候群、他の無機質の吸収抑制があります。
米国では腎臓結石、高カルシウム尿症、その他の無機質の吸収阻害とカルシウム摂取量との解析により、2,500mgを許容上限摂取量としていて、わが国においてもこの数値を採用しています。
(成人以外の数値については、根拠となる数値が見あたらないため、策定していません。)

牛乳を1,000ml摂取しても、それに由来するカルシウムの量は1,135mgであって、現在の日本人のカルシウム摂取量を考えれば、特別なサプリメントを使用しない限り、食生活において2,000mgのカルシウムを摂取することは稀でしょう。

なお、わが国では、1998年に定められた【骨粗鬆症の治療に関するガイドライン】では、老年期におけるカルシウム摂取は1日800mg以上が望ましいとされています。ちなみに、米国(RDA)の51歳以上では1,200mgとなっています。