【9】牛乳の摂取量と骨折や骨粗鬆症との関係は・・・?
日本人より牛乳を飲んでいる欧米人で骨折が多いと聞いたが・・・

無重力空間で骨量が劇的に減少するということが広く知られているよように、強い骨をつくるためにはカルシウム摂取と共に運動が必要となっています。

日本人の年齢による骨量の変化が測定されていますが、女性の場合、成長は18歳頃をピークにして、骨密度は25歳位まで増え続けます。男性の成長ピークは20歳頃で、30歳位まで増加します。男女ともにそれ以降の骨量は減ることがあっても、増加することはありません。

この最大骨量をピーク・ボーン・マスと言い、ピーク・ボーン・マスを高めると骨粗鬆症の発症を遅らせることができます。青少年期の乳・乳製品からの十分なカルシウム摂取が、最大骨密度と骨粗鬆症の予防に決定的な要因であり、年をとってからのカルシウム摂取の増加では、青少年期の不十分なカルシウム摂取を補うことはできないと言う研究報告もあります。

年齢による骨量の変化
(清野桂紀ほか:薬の知識。Vol.143,No.10.6 1992)

また、ビタミンDもカルシウム代謝調節に関わる重要な因子ですが、これは食物から供給されるほか、日光に当たることにより体内で活性型ビタミンDとなり、カルシウムの吸収等に役立ちます。ビタミンDを多く含む食品を取り入れ、戸外で運動することによって体内に取り入れたカルシウムを充分に活かすことができます。

日本人より牛乳を多く飲んでカルシウムを多く摂取する欧米人で骨折が多いのは肉食の過剰摂取でCa/P(カルシウムとリンの比率)比の平衡を崩して、カルシウムが流失するからだと言われています。