超高温瞬間殺菌の牛乳は脂肪の酸化が進んでいて、からだに悪いのですか?

とんでもない話

そんなことはありません。超高温瞬間殺菌で脂肪の酸化が進むことはありません。牛乳は、低温殺菌牛乳を除いて大部分が超高温瞬間殺菌(130℃2秒程度)されていますが、殺菌により脂肪の酸化が進むことはありませんし、体に悪い影響を与えることもありません。

殺菌は牛乳工場において外気と直接触れない密閉された工程で行われており[注4]酸化に必要な酸素が牛乳に溶け込むのは難しく、脂肪が酸化される可能性は極めて低いと言えます。

実際に、原料生乳の脂肪と製品になったパック入り牛乳の脂肪の酸化の程度(過酸化物価)を測定した結果、まったく差がありませんでした[注5]。

加熱殺菌は食物保存の最も優れた方法であり、数秒間の加熱殺菌で牛乳の栄養的価値が低下することもありません。



[注4]林弘通・福島正義著「乳業工学1998年」(幸書房)23ページ
[注5] 財団法人日本食品分析センター2006年 分析結果