女性にとっては、ダイエットと肌の健康は大きな関心事です。
食事量を減らすだけなどの無理なダイエットを行うと、必要な栄養素を摂取できなくなり、健康を損ねる危険性があります。若い女性では、カルシウムと鉄分の不足が目立ちます。カルシウムの不足は、骨量の低下を招き、将来、骨粗鬆症の発症リスクを高めることになります。鉄分不足は貧血だけでなく、免疫力の主体となる白血球の活動を低下させます。
牛乳はカルシウム含有量が多く栄養バランスに優れている上に、体脂肪を減らす効果が認められています。ダイエットにはぜひ採り入れたい食品です。また鉄分の不足による貧血の予防にも牛乳は効果があります。たしかに牛乳は鉄分含有量が少ないのですが、鉄分の多い食品といっしょに摂ると、鉄分の吸収を促進する働きがあります。
また牛乳には、肌の健康を守る働きが認められています。牛乳中のたんぱく質とビタミンA、ビタミンB、カリウムなどには美肌効果が、カルシウムには、ストレスからくる肌荒れ予防効果が、さらに、乳糖には便秘を解消する働きが認められ、便秘に伴うお肌の荒れを防ぐ効果が期待できます。
妊婦・授乳期はすべての栄養素を十分に摂取する必要があります。特に、胎児の骨格の材料となるカルシウムと血液成分となる鉄分の不足は、生まれてくる赤ちゃんの健康状態に大きな影響を与えます。しかし、栄養素を十分に摂取するためにエネルギー量を過剰摂取すると、出産後の肥満を招く可能性があります。
牛乳は、妊婦・授乳期のカルシウム摂取の目安量(【資料】参照)を確保できる最も手軽な食品といえます。カルシウムは、妊娠中毒症の予防や妊娠中に多い便秘の解消にも効果があります。
さらに牛乳は、体脂肪を減らす働きがあるため、出産後の肥満の予防にも寄与します。
不規則な食生活、アルコールの過剰摂取、運動不足、ストレスなど、いずれも生活習慣病のリスク要因となります。特に壮年期の男性にとって健康管理の基本は、生活習慣病の予防です。なかでも中年太りといわれるように肥満の解消が重要です。肥満は糖尿病や、高血圧、痛風(高尿酸血症)、心臓病などの生活習慣病のリスクを高めることが知られています。
牛乳には、体脂肪率を低下させる働きが認められ、中年太りの予防・解消に役立つことがわかっています。さらに牛乳には、高血圧、糖尿病、痛風(高尿酸血症)、高脂血症、心臓病、がんなどの生活習慣病のリスク要因の進行を抑える働きや、予防効果が数多くの研究で実証されています。したがって牛乳は、中高年の食生活に加えたい一品です。
更年期を境に女性の健康管理は難しくなります。更年期以降に生活習慣病の発症率が上昇します。その理由は、更年期まで女性ホルモンのエストロゲンが、女性としての機能を維持するとともに、生活習慣病のリスク要因からからだを守っているためです。
更年期後、特に気をつけなくてはいけないのが骨粗鬆症です。骨粗鬆症は転倒や骨折を招き、寝たきりの原因となり、老年期の女性のQOLを著しく損なってしまいます。そのほかに高血圧、高脂血症、糖尿病、などの発症の頻度も増加します。
牛乳には、骨粗鬆症の予防に必要なカルシウムを豊富に含む食品ですから、更年期を迎えた女性には必須な食品といえます。さらに牛乳には生活習慣病の予防・進展防止にも効果が認められています。 |