Q12
カルシウムを過剰に摂取するとなにか健康に障害が起こりますか?

通常の食生活では過剰になることはありません。<BR>上限量の1日2,300mgを摂取しても便秘症になる程度です。

カルシウムの過剰摂取によって起こる障害には、尿路結石、ミルクアルカリ症候群、他の無機質の吸収抑制、便秘症などが報告されています。

もともとカルシウムは、摂取量が増えると吸収率が低下し、摂取量が少ないと吸収率が高まります。吸収率が低下するとはいえカルシウムの摂取量が増えると体内への吸収量も増え、通常は骨形成が進み、常に血液中のカルシウム濃度を一定に保つ調節機能が働きます。この調節機能を上回る量のカルシウムを摂取した場合に、過剰症が起こります。

わが国の上限量(【資料】参照)の1日2,300mg(18歳以上)を継続的に摂取しても、便秘症になる程度で、尿路結石の可能性はありますが、むしろ重篤な腎臓結石の発症リスクを低下させるという報告もあります。

1日1パック(1,000ml)の牛乳を摂取しても、カルシウム摂取量は1,135mgで上限量の1日2,300mgの半分弱です。現在の日本人の1日当たりの平均カルシウム摂取量は546mg(平成14年度)程度であることを考慮に入れると、通常の食事ではカルシウムの過剰摂取になることはまずないでしょう。

健康食品やサプリメントで一度に多量のカルシウムを摂取すると、上限量を上回ってしまう危険性があります。

ただ最近では、不足している栄養素を健康食品やサプリメントで手軽に補おうとする傾向がみられますが。カルシウム製剤などで一度に多量のカルシウムを摂取すると、上限量の2,300mgを上回ってしまう危険性がありますから注意が必要です。