2.骨細胞の構造 1mm3に26,000個も存在するといわれる骨細胞は、骨芽細胞が自ら産生した骨基質中に埋め込まれた細胞である(図4)。 骨小腔中に局在する骨細胞は多数の突起を骨基質中に伸ばし骨細胞どうしや骨表面に位置する骨芽細胞と互いに gap junction にて連絡し骨組織中に細胞性ネットワークを形成している(*17,18)。骨細胞の突起中にはアクチン線維が局在しており、突起の収縮や物質輸送、あるいは細胞内情報伝達機構との関連性が論じられている(*19)。 骨細胞の突起は三次元的に複雑に分岐することにより骨基質中に張りめぐらされ、骨基質にかかる物理学的な内部応力を歪みとしてとらえるのに都合のよい構造をとっている。また、骨小腔と骨細管の表面積の総和はハバース管や骨梁の表面積の総和の約100倍にも達するため、骨細胞が細胞性ネットワークを形成する利点の一つとして、後で述べるように骨細胞と骨芽細胞が骨細管を介したカルシウムをはじめとする骨基質ミネラルの流出の調節を容易にできる点があげられる。 3.骨芽細胞、骨細胞の機能を調節する因子:カルシウム調節因子 |